2006年(18年)白石英行の代表質問

■2006年(平成18年)第1回定例会 代表質問


《1.協働協治の発信》
 区議選改選翌年、16年の第1回定例会で代表質問を行った時に、時代はドッグイヤーというべく高速な変化を成し遂げていると申しましたが、本年の戌年は更なる変革の導入年と考えています。国・都・区という行政単位は、初めて経験する人口減少社会、本年は昨年に比べ1万9千人減少し、2050年には2776万人減少する現実と少子高齢化に向けて、行財政と構造改革を進めなければなりません。
 日本は明治維新以来、多くの先進国の仕組みや制度を活用して高度成長を向かえることとなります。そして、東京は3300万人を超す人口集積を持ち、先進国ではすでにこのような首都がないのが現実です。そのほぼ真ん中に存在する文京区に愛着が持ち続けられる為には、昨年制定した「自治基本条例」の「協働・協治」の理念が大事です。区長が述べられている通り、現社会における社会のあり方の指針として崇高な理念と賛同するもので、それは区民の潜在能力こそ、グローバル社会が進展するほど、ローカルな特殊性が重要になるからで、魅力・愛着づくりという幅の広い施策に参加することで協力・相互尊重・共有の精神があれば最も有効に創造的なアイディアが生み出されると考えるからです。
 そこではじめに質問致します。
 しかしまた一方ではその一つの施策だけに偏らず、総合的な判断も必要になってくることが重要であります。昨年度の成果を踏まえ、協力・相互尊重・共有の精神などについて、区民の理解が必要であると考えますが今後どのように発信していくお考えか、まず、お伺い致します。


《2.今後の新公共経営》
 次に今後の新公共経営についてお聞きします。
 冒頭で更なる変革の導入の年と述べました。それは、来年度の財政運営は景気回復の追い風もあり、我が区の歳入も期待が持てそうではありますが、平成19年には三位一体改革の国庫補助負担金削減に伴う税源移譲で、住民税の税率を1本化するなどで国から地方への約3兆円の税源移譲されるものの、所得割をフラット化された住民税は、都と区の配分で4:6と定められ、23区では9区がマイナス影響となります。本区も15年度ベースで計算すると約22億円の財源不足が予想されると共に、都市部、特に23区では人口のなお漸増傾向にあり、現在のサービス水準又はそれ以上の喫緊の課題への的確な対応が求められるからです。
 本区は本年、NPM予算編成3年目、基本構想実施計画最終年度の前年度に当たり、本区も様々な知恵を更に絞り、本年を導入の年としなければなりません。
 NPM予算編成は導入当初より、「成果主義」「経営努力」による削減効果ばかりアピールされた為か「区民に犠牲を強いる」という無責任な声も聞かれました。また、「分権志向」と「複数年度の考え方」といった斬新な発想による各部の財政の仕組みがシンプルであるが故に、「部に必要な財政が配分されない」などの安易な指摘も未だにあるようです。しかし、いずれの批判もバブル期に膨れあがった行政サービスの量を前提としたしたものであり、社会保障経費の増加・区民間、世代間の公平性・時代のニーズ変化といった本質的な議論を避けたものであると考えます。
 大事な事は、旧態依然として総花的な施策の展開でなく、限られた財源で何を行うか!将来世代も視野に入れた行政のあり方、そして無駄のない堅実な財政運営を行うことです。この間、新公共経営の理念に基づく予算編成で実質単年度収支は良好な維持をしてきましたことは「新生文京の礎」を築かれたものと煙山区長の手腕を高く評価するものです。
 そして、これらの課題のもと、今後とも長期的な視野に立った財政運営を行っていくとされていますが、どのように財政を舵取りして行っていくのか、また、都区間で協議してきた都区財調主要5課題について79年度以来27年ぶりの決裂となり、調整三税の配分比率についていくつか報道されていますが区長会副会長の煙山区長に現状の議論と今後の協議についてお伺い致します。
 この節の最後にご提案致しますが、丸ノ内線をお茶の水方向から来ますと左がラクーアで右にシビックホールに挟まれます。ラクーア側には広告が掲示されておりますがシビックホール側にはありません。シビックは公共物ですからこの場所に広告を掲載することはできませんがホール利用者の催し物の広報はできると思います。運営7年目にして稼働率93.4?というシビック大ホールが単に利便性の良い、すばらしいホールであることの他に、文化活動や市民運動等に貢献している施設として更にPRする事が区民の財産の公会堂の姿と考えますがいかがでしょうか。
 また、横浜市では市から市民に郵送される封筒にも銀行広告がのせられていると聞きます。区民の理解を得ながら更に行政運営に対し、努力している姿を表現することも行政には必要と思いますが区長のお考えを併せてお答え下さい。


《3.新設される組織について》
 次に新設される組織についてお聞きします。
 初めに、文京アカデミーについてお聞き致します。
 第一次ベビーブームの団塊の世代約680万人の引退により国民総生産も16兆円減少し、20年後には医療費・年金制度も2倍に膨らむと予想されています。本年度よりスタートするアカデミー構想は大学や区民との連携を促進し、最先端の生涯学習や観光・文化財との連携を強める等、新たな事業やネットワークを構築し、区内の文化資源と区民の潜在能力を発揮できる柔軟性に富んだものになることを期待しています。きめ細かい情報の提供や学びの場の提供は、経験豊かな体力も十分な団塊の世代の区民には地域に回帰し、新たなコミュニティーを創造していただけることでしょうし、今まで教育委員会が育成してきたサークル団体の活躍の場が更に広がることと思います。
 この構想が格段に利用しやすく、参加しやすいものになるためには、新設予定の区民部アカデミー推進課はむろんの事、アカデミー構想を推進する実施主体の職員の意識が重要になってきます。
 民間企業では買収や統合により組織を存続させ、利益を生み出しますが、そこで働く社員達の労働量は想像を超えるものだと友人から聞いています。行政は利益を生むことがその指命でなく、住民サービスの成果が数値で把握する事が難しいとしても、職員は成果主義の理解と実行力が必要です。
 そこで、4月からスタートする本事業内容を、どのように区長直轄の区民部で形成していくおつもりか区長のお考えをお伺い致します。
 2つ目に男女協働子育て支援部についてお聞きします。
 基礎的自冶体として人口減に歯止めをかけるべき、新年会でも特殊出生率の低下を訴えておられ、部を新設された区長の姿勢にエールを送ります。本区住民である猪口邦子内閣府特命大臣は第2次ベビーブーム世代が40歳になるあと5年間で改善しなければ、回復傾向は遅れると「地方との連携による少子化対策」を打ち出し、各自冶体も病後児保育・看護サービス・不妊治療助成・子育て支援マンション制度・幼稚園費用緩和・次世代児童手当など新たな取り組みにチャレンジしております。今回、都が子育て支援関連13事業の交付金を打ち出した背景には、国の三位一体改革による延長保育などの国庫補助金が、税源移譲や交付金化さえたことによるもので、区民ニーズの高い都市型保育サービスへは到達できないものと思います。今後、本区として安心して預けられる、多様なサービスを求められる保育の為に 新設された男女協働子育て支援部は、子育てサポーター事業など展開してまいりますが、今後の都市型保育サービスをどのように展開していくお考えかおたずね致します。
 今回の子育て支援券は本区が男女協働子育て支援部を新設し、子育て支援に向けて本格的に動き出したものとして、区民の理解を得られると思います。何事も最初が肝心であります、支援部の本年の活躍により更なる支援策を策定されますこと期待しています。
 しかし一方で、90年代から行ってきた施策には効果を上げていないという報告もあります。国勢調査によれば25年前に比べ男性女性とも20歳から35歳までの未婚率は20%上昇し、男性では68.2%女性では55.5%となっており、結婚するカップル自体が減少又は晩婚化しており、減少傾向は当然であるものの、その中結婚している夫婦間の平均出生率は2.2前後で、出産する傾向は高いということであります。ただ、現状としてフリーター200万人、ニート60万人、児童虐待総数3万件を超え、少年が殺された04年は181人という社会情勢も懸案事項の一つではありますが、少子化対策として子育て支援と平行してこれら課題を克服する為にも、男女共同参画社会形成の促進と正確な理解が必要であると考えます。新たに設置されます男女協働特命課に期待するところですが、まず、猪口大臣と新春対談した区長の「ジェンダーの視点」と「少子化対策」に対する認識をお伺いします。


《4.地区まちづくり》
 次に地区まちづくりについてお聞きします。
 スプロール防止は人口減少社会では公共投資負担率が増加する今後の社会においては当然であり、自らの町の個性を競い合うことでの価値観を享受する時代に突入すると考えます。持続可能なまちづくりに「コンパクトシティ」という理念があり、市街化区域内の未利用地の有効利用といった都市部の土地の高度利用により、職住近接による交通渋滞の緩和・環境の改善・緑地の保全が図られるもので、青森市・仙台市などが取り組んでいます。
 近年、都市部ではバブル期に示されていた、一極集中や地価高騰の打開に向けた「多心型都市づくり」から、大きく変わろうとしており、「住まい」「職場」「学業」「遊び」などの様々な機能を都市の中心部にコンパクトに集積し、中心市街地活性化など、相乗効果をうむコンパクトシティ理念もあります。
 文京区では1996年策定の都市マスタープランで「都心地域」「下町隣接地域」「山の手東部地域」「山の手中央地域」「山の手西部地域」に分け、「そのまちらしさ」を生かした安全で快適な整備計画を行い、都心回帰の流れを組み、人口も19万人にとどくまでになりました。その間、景観条例・色彩ガイドライン、不燃化、耐震対策など、様々な施策を打ち、文京区らしさを維持してきた結果と考えます。
 本年度は新たに根津まちづくり基本計画も立ち上がり、区民が都市の未来環境について考え、生活の質や安全を両立させる地区づくりこそ、文京区らしさと考えます。今までも、後楽地区まちづくりやシビックセンター周辺まちづくりでは春日町三丁目地区市街地再開発準備組合が春日・後楽園駅前地区と名称を変更し、駅前拠点の活性化にむけて住民の力でまちづくりを進めています。
 今回、景観審議会では「広告物ガイドライン」の策定を視野に入れた議論がされています。私は、文京区全体でなく、エリアで考えるべきと考えております。商店街にしても、カラー塗装歩道や商店街管理の街路灯のあり方など様々な問題を抱えているのが現状です。今後文京区の魅力を生かしていくには現マスタープランの5地域分類よりも細かくエリア設定し、それぞれの地区の特徴を生かした各まちづくり計画がスムーズに行っていくことこそ、自治体間競争を勝ち抜き、ひいては文京区の魅力あるまちづくりが実現すると思います。そこで「文京版 コンパクトシティ」という概念で、10年経過した都市マスタープランを改定する時期を向かえていると考えますがいかがでしょうか?区長のお考えをお聞き致します。


《5.都市公園計画事業》
 次に都市計画公園事業についておききします。
 KKR 目白運動場について先日全議員で視察を行ってまいりました。自然が残り、空が大きく、区民の憩いの地、柏運動場の身近な転用地、震災時の仮設住宅設置場所と区民の安全までに踏み込んだ施策と改めて高く評価します。
 そこで、19年〜20年に渡り施設を整備するに当たっては、子供の身体の発達に大切な「遊び」空間づくりついての十分な検討をお願い致します。木や草の種類を多くし、余分な設置物を作らず、花摘み・昆虫観察・かくれんぼができる配置計画することで21世紀型の公園として提供していただくことが重要であると思っています。
 無論、死角ができることの防止策として、ボランティアでの「遊びの先生」の設置など工夫も必要かもしれません。目白台の新たな公園として団体利用だけでなく、大人の空間から子供達に配慮した公園へと、良好な居場所として提供していただきたいと考えますが、区長のお考えをお伺いします。


《6.公有地の適正利用》
 次に公有地の適正利用についてお伺いします。
 まず、元町小学校についてお伺いしますが、現在、利用頂いている田中千代専門学校の契約も本年11月と昨年の委員会でお聞きしましたがその後、検討状況はいかがでしょうか?元町小学校は元町公園の隣に隣接しており、合わせた面積は7663.31平方メートルと聞きます。第六次文京区実態緑地調査によれば区内の緑化率が上がった一つの要因に開発での緑化の義務づけによるものであるという結果が出ています。震災復興公園としての元町公園も元町小学校閉校でその役割も終えたと考えていますのでその歴史を残しながら、文京区の大事な資源として、未来的に有効に利用することが今後の課題であります。今後の検討においては、この傾斜地にあり、昭和一高、工芸高校、桜陰と順天病院に囲まれた場所に見合う利用を区民財産の有効活用の為にしていただきたいと考えますが、区長のお考えをお伺い致します。
 また、本年は小石川保健サービスセンターの移転が行われます。施設に面した安藤坂は、都電道路として発展してきたわけですが、現在は、マンションが建ち並ぶ坂になっており一部は丸の内線が地下を通過しているところであります。保健所に対する思い出は数ありますが、時代のニーズに対応しきれない施設であり、移転はその利便性を確保することから賛同するものであります。しかし、当施設は坂の下にあることから近隣町会の防災倉庫として、又はラジオ体操などの場として地域コミュニティーに参加していることも現実であり、その活用については十分な検討が必要であると考えます。その敷地利用を単に民間業者に売却すれば先に述べた住居ニーズにマッチしてしまうと考えます。
 本区はグループホームをはじめ福祉関係関連事業者と連携した例はありますが、これらの地域コミュニティーを考え、文化の発信などの他の民間業種への連携利用も考え、自治基本条例の文京区民として参画していただく、拠点または出発地点として提供することもできると考えますが、区長のお考えをお伺い致します。
 また、(旧)衛生試験場についてはどのようにするのか併せてお答え下さい。


《7.防犯促進》
 次に防犯に強いまちの促進についてお聞きします。
 2年前の代表質問と全く同じ内容でお聞きします。それは、2年経過した今、本区の子供達の安全も脅かされており、安心メール、スクールガード様々な抑止策を行っていますが、更に必要だと思うからです。ではその内容に入ります。
 本区は23区の中で犯罪の最も少ないまちです。しかしながら、そのデータに安心するには、はっきり言って不安が残ります。JRのターミナルを持たない区だからこそ少ないのではないかと考えることが、しばしばあるからです。シビックセンター周辺も近年様々な犯罪が起き、スーパーマーケットの夜間強盗、銀行強盗、駅の宝くじ売り場での強盗や車の盗難と、私が生まれて初めて体験する事件が身近に起きています。
 区長は「安心安全まちづくり条例」の制定をし、防犯に強い町を目指していますが、区民の皆さんは現在、町会の夜警を始めPTAは自転車で、商店ではステッカーを、動物愛護団体は散歩時にバンダナを、と様々な連携をとって防犯に努めております。
 今日、健康維持のために散歩やジョギングをしている人を多く見かけます。これらの方々に区内を走行して頂く時に「文の京パトロールキャップ」を200円でご購入頂き、信頼性を高める為、Bunkyo Patrol Organization(BPO)を組織して登録番号をキャップの横に表示し、ご協力していただくなどして、自らの啓発と犯罪予防対策にご協力いただき、防犯に強いまちをアピールしてはいかがでしょうか、お考えをお伺いします。 また現在、安心メールを行っていますが、そのことは犯罪の直接的抑止効果にはなっていないと考えます。品川区のようなGPS能力がある防犯ベルを配置できれば、事件発生時、子供守る為に動くことがでます。現在、その成果は誤報が多く現れていないとのことですが、抑止効果にはなっていると思います。
 本区の場合は、区民との協働が進んでおり犯罪発生率は低いのですが、甘んじることなく更なる抑止効果として、メール登録した方以外にもご協力を求め、事件があった時には警察との協議の中、「防災無線」を通じてその地域全体に声をかえることは費用はかからず、次なる犯罪抑止になると考えますがいかがでしょうか?

《8.コミニティバス》
 次ぎにコミニティバスについてお伺いします。
 区長は施政方針で本年度調査後、19年度実施を目指すと述べられました。昨年に私の所にもアンケート調査が送られてまいりましたがその中でどのような区民ニーズが高かったでしょうか?区内には地下鉄・都バスが巡っていますが、コミニティバスの明確な利用者をまず絞らなければ赤字運営の継続となりかねません。また、運行ルートについては、区の資源である観光と医療をリンクさせれば、区外の利用者が、通勤通学時間帯に走れば駐輪抑止など、更なる利用可能性を探り、設定をしていただきたいと思いますが、どのようにお考えになっているかお伺い致します。

《9.パートナーアニマルとの共生》
 次ぎにパートナーアニマルとの共生についてお伺いします。
 厚生労働省によると04年度で犬の登録数は639万4226匹、登録制度が始まった1960年に比べ3倍以上に増え、内閣府の03年調査によれば、世帯の36.9%がパートナーアニマルを飼っていおり、犬は62.4%猫は29.2%とあり、本区でも犬の登録総数5326頭でパートナーアニマル許可マンションも増加しています。前にドックランパークについて質問いたしましたが、愛護に対する考え方や価値観の相違などから、飼育側の迷惑行為をはじめ、虐待や遺棄、近隣住民とのトラブルも数多く発生する今日、動物の飼養指導員及び犬猫の正しい飼い方普及員を中心として「パートナーアニマルとの共生会議」を起ち上げ、区内のルール策定をしてはいかがでしょうか。ワンワンパトロールを始めて2年目になる文京区動物愛護協会の会員数は600を超え、行政にはない課題解決策をお持ちと思いますがいかがでしょうかお伺い致します。


《10.介護保険》
 次に介護保険制度についてお伺い致します。
 制度前は、老人福祉と老人保健の2つの異なる制度の下で提供されてきたことから、利用手続きや利用者負担の面で不均衡があり、また総合的で効率的なサービス利用が困難でしたが、給付と負担の関係が明確な社会保険方式により、社会全体で介護を支える新たな仕組みとして、約6年を経過しました。しかし、長寿化も進み、一人暮らしや認知症の高齢者の増加が顕著になり、併せて、利用者の拡大やサービスに要する費用も増大し、将来的には制度の存続にも支障をきたす状況が生まれています。
 この度の制度改正は、この状況等を踏まえ、介護予防など様々目指すところから、地域性を重視し、更に本区の役割もこれまで以上に強化されるように聞いています。しかし、区民の立場から見れば、「よくわからない」というのが実態ではないでしょうか。広報も正確性を担保するため、盛り沢山の文字となり、高齢者の方々も理解しがたいと良く聞きます。私たち議員も正しく理解し、周知に努めていきたいと思いますが、区として効果的な広報活動は必須と考えています。そこで、区長が制度改正について重視しているポイントのご見解、それに伴う広報活動をお伺い致します。
 また、特に具体的には、認知症の高齢者の増加への対応や、一人暮らし高齢者の介護以外にも複合的な問題を抱えている方々からの相談しやすい体制づくりが必要と思いますが併せてお答え下さい。


《11.障害者自立支援》
 次に障害者施策についてお伺いします。
 平成15年に支援費制度が導入されて以来、従前の措置に比べ飛躍的にサービスが向上したことは障害ある区民が安心して暮らせる一助として高く評価するものですが、支援費を運営するための本区への国庫補助金が2年連続で必要額を割り込むなど、支援費制度が財政的に不安定の中、本年4月、障害者自立支援法が施行されます。
 これは、財源の確保策を示す中で、身体・知的・精神の3つの共通するサービスを提供することにより、障害ある方々の自立を目的としています。そこで、支援費制度で対象となっていなかった精神障害者を対象としていくことで、サービスとりわけ在宅サービスの現状など具体的にどのように変わっていくのかお伺いします。
 また、本法律では、新たに障害者の障害区分の認定を行い、その判定の為の審査会を設置するとありますが、その認定の意義と審査会の構成・運営方針はどうのようにお考えかお伺い致します。
 更に、障害福祉計画が義務づけられていますが、区が従来策定している地域福祉推進計画の障害者計画との関係並びに障害福祉計画の策定指針についてお示し下さい。


《12.学校改革》
 次ぎに学校改革についてお聞き致します。
 変革・混迷・国際競争の時代といわれる中、人材の育成の礎である教育の重要性は増すばかりと考えます。その一方で学ぶ意欲を喪失し、また、学校教育への不適応などから学力低下、さらには不登校にいたる事態は深刻で、子供達への対応は急務と考えます。文京区では教育相談体制を他区に先駆けて充実を図り、不登校生徒は半減したことは高く評価致します。その上で、学ぶ意欲を高めるために、各学校種の連携・接続を改善すべく、品川区では小中一貫教育を全校で展開するとともに、その確実な定着にむけて施設一体型小中一貫校を区内6地区に設置する予定です。本区では幼稚園から中学校までの一貫教育を今までに2年間研究されていますが、その成果をお伺いします。更に今後の方向性をお聞かせ下さい。
 また、港区では進学塾との提携で土曜特別講座、江東区では正規授業で塾の講師など民間の活力を教育にも活かし、子供達の学力を高めています。本区では、学力向上モデル校や「文の京」学ぶ力レベルアップ推進校を指定し、放課後や土曜日、夏休みに近隣大学の協力を得て、学生ボランティアを活用しながら子供達の学習の機会をつくられているとのことですが、その成果をどう評価し、今後どのように拡充されるのかお伺いします。
 おりしも、文部科学省は約10年経過した学校指導要領の改訂に乗り出します。ゆとりある教育課程の中で「生きる力を生む」ことを目指しましたが「ゆとり」ばかりが前面に出て、教育現場が混乱し、学力低下など様々な問題が危惧されていました。改訂は07年度までに終了され、基本的な考え方に「言葉の力」を据えることになりますが、本区としてどのように対応していくのか、また、どのように現場が変わっていくのか合わせてお答え下さい。


《13.特別支援教育について》
 次に特別支援教育についてお伺いします。
 平成17年12月にまとめられた中央教育審議会答申では、障害のある児童について現在の盲・ろう・養護学校を障害種別を超えた(仮称)「特別支援学校」とすることや、現在の特殊学級における指導から、各小中学校に配置する(仮称)「特別支援教室」での、障害の状況に応じて必要な時間・必要な指導に転換することが掲げられています。
 法改正を含む制度の見直しや教員配置、教室設置等の具体化にはまだまだ時間を要するとは思いますが、実際に、小中学校の通常の学級には、学習障害や注意欠陥・多動性障害、高機能自閉症など特別な支援を必要とする子供達が在籍していると聞いています。文京区教育改革推進会議第三部会の第一次答申にもありますように、法改正がされる前に、特別支援教育への円滑な移行をどのように目指していくかが大きな課題となっていますが、本区においての現状と今後、国と都の動向を見極めながら、今後どのような改革を進めて行くおつもりなのかお聞きします。
 最後に、「文教の府」 文京区で勉学に励む、未来を担う子供たちの為に、学校と共に文京区教育委員会が、「学ぶ意欲」と「良質な体験」の一層の研究・開発されますことを、切にお願い致しまして、私の質問を終わらせて頂きます。




■区の答弁

(赤字:白石質問  黒字:区長又は教育長答弁)

●質問:協力・相互尊重・共有の精神などについて
答弁:私は、自治基本条例の施行以降、協働・協治フォーラム等により、区内の多様な主体が対等の関係で協力し、地域社会の課題を解決するという、協働・協治の考え方の普及を図ってまいりました。
今後は、提案公募型事業をはじめとして、個々の施策の実施を通して、協働・協治についての区民の皆様の理解を深めてまいりたいと思います。

●質問:今後の新公共経営について
答弁:まず、NPM予算編成システムに関するお尋ねですが、 予算編成においては、各部が区民の目線に立って日々の職務を遂行する中で、区民要望を的確に把握し、区民の満足度を高めることを目指すことが極めて重要であります。
そのために、これまでNPM予算編成システムの手法により、各部が主体的に財源確保と事務事業評価による組織・事業の見直しを行い、その結果を予算編成に生かすとともに、限られた財源を必要な施策に配分してまいりました。
さらに、成果志向に基づき、効率的な予算執行の努力をしてきたことによりまして、実質単年度収支は良好な状態を維持してまいりました。
今後の財政運営も決して楽観できる状況にはないことから、引き続き、これまで培ってまいりましたシステムを用いて、新公共経営の視点に立った予算編成に取り組んでまいります。

●質問:長期的な視点に立った財政運営について
答弁:今般の三位一体の改革により、平成十九年度からは、歳入の根幹を成す特別区民税が大幅に減収となることが予測され、今後の財政運営は決して楽観できる状況にはありません。
さらに、本格的な少子高齢社会の到来に対応するための子育て支援や、安全で安心して暮らせる地域社会を構築するための施策など、喫緊の課題に着実に取り組んでいくことが求められております。
時代の要請に的確に応えつつ、将来世代に対する責任もしっかりと果たしていくためには、持続可能な財政体質をつくり上げることが必要であり、長期的な視点に立った財政運営が不可欠であります。
引き続き、単年度の収支バランスを良好な状態に維持していくことはもとより、貯えであります財政調整基金や特定目的基金について、中長期的な数値目標を設定した計画的な活用を図り、新公共経営の理念に沿った予算編成に取り組んでまいります。

●質問:都区財政調整主要五課題について
答弁: 主要五課題については、都と区が相互に連携、協力していくことが何よりも重要であるとの見地から、早期にこの問題を解決すべく、ぎりぎりの交渉結果として二月十六日の都区協議会において合意するに至りました。
合意の内容は、これまで区側が主張してきたこととは大きくかけ離れており、決して納得のできるものではありませんが、都区の役割分担を踏まえた財源配分のあり方については、今後設置される都区共同の検討組織の中で引き続き協議していくことといたしました。
これまで、議会のお力添えを受けながら、協議してまいりましたが、このような結果となり、内心忸怩たるものがございます。
今後は、新たなステージでの議論に移るわけでありますが、区長会副会長としても、最大限の努力をしてまいる所存でございます。

●質問:公会堂のPRについて
答弁:公会堂については、本年4月からアカデミー構想の中核施設となることからも、従来の広報紙などに加え、ホームページの充実、大学・企業等との新たな広報媒体の検討を行ってまいります。
また、区内外に文化発信を行いながらも、収益性にも寄与する広報手段の研究についても着手してまいりたいと考えております。

●質問:封筒等への広告掲載に関する提案について
答弁:本区では、平成15年に「印刷物広告掲載ガイドライン」を策定しており、来年度は、「わたしの便利帳」に広告掲載を予定しているところです。
広告の掲載に当っては、公共性、品位などに留意するとともに、地域経済の振興等にも十分配慮しながら、今後も適切に取り組んでまいりたいと考えております。

●質問:アカデミー構想について
答弁:文京アカデミー構想については、来年度からの執行体制も整い、全国的にも先駆的な本構想がスタートいたします。区民部にアカデミー推進課を設置し、教育委員会から多くの事務が区長部局に移管されることとなります。
私は、この新たな組織に生涯学習・文化・スポーツに加え、国際交流、観光事業が一元化されることで、従来にもまして柔軟で迅速な組織が構築され、多様な区民との協働が可能になるものと確信しております。
また、事業推進の中核となる、地域・文化振興公社についても、「財団法人 文京アカデミー」への改称を予定するなど、体制整備に取り組んでいただいております。
私も議員同様、本構想の成否は、職員の意識改革にあると考えております。所管課はもとより、とりわけ公社職員につきましても、従来からの枠を越えた発想で事業に取り組んでまいります。

●質問:今後の都市型保育サービスについて
答弁:本区では、平成十七年度、子育て支援計画を策定し、計画に基づき、年末保育、病後児保育など様々な保育メニューを提供し、保護者の方々のご要望にお応えしているところです。また、来年度には、一時保育事業の実施、認証保育所の増設、幼保一元化施設の開設などを行い、子育て支援策の充実を図ってまいります。
今後、都市型保育サービスについては、駅前保育、十三時間保育等を実施しております認証保育所によるサービス提供を中心に官民の役割を分担し、事業を展開していきたいと考えております。

●質問:ジェンダーの視点」と「少子化対策」について
答弁:「ジェンダー」とは、社会的、文化的につくられた性別をいい、ジェンダーに敏感な視点に立って、男性も女性も平等に、その個性と能力を発揮できる社会を実現することは、重要なことだと考えています。
昨年、内閣府がまとめた調査によると、女性の働く環境が整っている国ほど出生率が高いという傾向にあります。このようなことからも、少子化対策には、男女がともに主体的に、仕事と家庭を両立させうる環境をつくれるよう支援していくことが、何よりも重要なことであると認識しているところです。今後とも、仕事と家庭の両立支援とともに、地域全体での子育て支援に取り組むことにより、猪口大臣のいう「家庭も仕事も両立していく人生が可能な」社会の実現に向けて努力してまいりたいと考えております。

●質問:まちづくりについて
答弁: 文京区都市マスタープランにおいては、基本的な考え方のひとつとして「地域特性に対応した多様な市街地の整備」を挙げております。このことは、五地域分類にこだわったものではなく、茗荷谷駅前地区や後楽二丁目地区などにおいても地域特性を生かしたまちづくりを進めているところです。
 都市マスタープランの改定時期については、具体化されていませんが、今後とも地域特性を生かすことによって、魅力あるまちづくりを進めてまいります。

●質問:目白運動場について
答弁:このたびの運動・防災公園整備は、文京区として最大の規模となることから、幅広い区民の方々に利用していただけるよう意を用いてまいります。
子どもたちのための遊び場空間づくりにつきましては、新たに、幼児が、芝生の上でのびのび遊べるみどりの子供広場や、小中学生が思いっきり体を動かし、様々な遊びや運動に挑戦できるアスレチック広場、さらには親子が緑の木陰で休める休息広場や、現在の自然環境を活かした樹林地に設ける散策路など、子供たちが様々な自然に触れ合える場にしたいと考えております。

●質問:公有地の有効活用について
答弁:旧元町小学校跡地については、地域からも恒久的な活用策を望まれておりましたが、この度、跡地活用の基本的な考え方をお示しし、本格的な検討に着手することといたしました。
  基本的には、老朽化の著しい総合体育館の機能移転を中心に、元町公園との一体的な整備を行います。また、事業スキームについては、公益法人や教育機関などとの共同事業とし、事業者についてはプロポーザル方式により選定したいと考えております。
 今後は、区民の貴重な財産である跡地活用について、広く周知するとともに、様々な機会を捉え、ご意見をいただき、プランに反映させてまいります。
また、小石川保健サービスセンター移転後の活用策につきましては、有効活用を図るよう検討してまいります。
なお、旧衛生試験所の業務につきましては、現在、試験検査のあり方、業務内容等について検討しているところでございます。

●質問:「文の京パトロールキャップ」について
答弁:犯罪抑止効果を高めるためには、区内一律ではなく、各地域の特性に合った、きめ細かな特色ある防犯活動が重要であると考えております。
そのため、新年度には、地域で中心となり自主防犯活動を推進する「防犯リーダー育成講習会」により自己啓発を図ることや、自動車による自主防犯パトロール用「青色回転灯」の貸与を行い、地域ごとに特色のある自主防犯パトロール活動を支援してまいります。また、ご提案の「文の京パトロールキャップ」などにつきましては、本年度より実施している、自主防犯パトロール用資器材購入助成制度の中で対応するなど、防犯に強いまちをアピールしてまいります。

●質問:「防災行政無線」の使用について
答弁:現在、安心メールにより配信しております情報には、発生時間、場所、状況、加害者の特徴などが含まれ、登録者が正確な情報をいつでも確認できるなどの利点があります。一方、防災行政無線では、これらの詳細な情報を正確に伝えることは困難だと考えますし、人命にかかわる切迫した事態につきましては、防災行政無線の使用についても考慮してまいります。

●質問:コミュニティバスについて
答弁:まず、アンケートの区民ニーズですが、コミュニティバスが自宅や目的地近くに導入された場合は、「利用する」が63.2%と高く、また、週1回以上利用するとした人が38.7%を占めております。
次に、ルート設定についてですが、導入に関する基本的な考え方の検討に際し、シミュレーションの結果などを踏まえて決定していきたいと考えております。

●質問:パートナーアニマルとの共生会議について
答弁:犬やネコなどのパートナーアニマルとしての動物と人が共生していくためには、飼い主のモラルが何より重要なことと考えています。
本区といたしましては、区内動物愛護団体との緊密な連携のもとに、動物の飼養指導員・犬猫の正しい飼い方普及員の活動の活性化を図るとともに、犬のしつけ方教室の開催や、区報等を用いて飼い主のモラルの向上を働きかけてまいります。
なお、ご提案の「パートナーアニマルとの共生会議」につきましては、今後の検討課題とさせていただきます。

●質問:介護保険制度の改正のポイントと広報活動について
答弁:今回の制度改正で私が最も重視していることは、介護予防システムの構築であります。今後の高齢社会を明るく活力のあるものにするためには、高齢者の方々が介護予防に努め、健康長寿を実現することが何よりも重要で、介護保険制度を持続可能なものとする上でも肝要と考えております。
制度改正に伴う広報活動としては、区民の方々に分かりやすくお知らせするため、三月中に区報特集号、パンフレットを発行し、地域ごとに区民説明会を開催する予定です。あわせて、ホームページ、CATV等も活用し、改正された制度の理解に努めてまいります。
また、民生委員、話し合い員、町会等の地域団体や医療関係団体等の方々に対し、地域での制度周知等の担い手になっていただけるよう、より一層ご協力をいただくこととしております。

●質問:認知症高齢者への対応について
答弁:認知症の理解を広め、介護者を支援するため、在宅介護支援センター等において講演会や介護者教室等を実施するとともに、早期発見や地域における見守りのため、地域ネットワーク作りを行ってきました。四月以降は、新設する地域包括支援センターを中心として、一層の拡充に努めてまいります。
また、総合的な相談体制については、区における高齢者相談をレベルアップするとともに、地域包括支援センターの保健師・社会福祉士等の専門職員がチームとして、区との連携のもと、地域に根ざした総合的・包括的な相談支援を行う体制を確立・強化してまいります。

●質問:精神障害者を対象とするサービスについて
答弁:これまで、精神保健福祉法に基づいて提供されていたホームヘルプサービス等の居宅生活支援事業は、障害者自立支援法に基づく自立支援給付として、引き続き提供されることとなります。
さらに、地域生活支援事業として新たに相談事業を実施することなどにより、精神障害のある方々への支援を充実してまいります。

●質問:障害区分と審査会について
答弁:障害者の福祉サービスの必要性を判断する際の勘案事項の一つとして、障害者の心身の状況を把握するために、障害程度区分を6段階に分けて審査会で認定し、本年十月からの新しいサービスは、この障害程度区分によって利用決定される仕組みとなります。
審査会の委員の定数は十人以内とし、障害保健福祉の学識経験を有する者で、中立かつ公正な立場で審査が行える方々で組織します。
なお、審査会の委員には、障害者又はその家族を加えることを検討しております。
審査会の運営方針といたしましては、身体・知的・精神の障害者の特性や実情を正確に反映できるような審査、判定を行っていただきたいと考えております。

●質問:障害福祉計画と、本区の地域福祉計画との関係について
答弁:本区の「文の京ハートフルプラン」文京区地域福祉計画は、本区における保健・福祉の総合計画であり、その分野別計画の一つとして、すでに障害者計画を策定しているところであります。したがって、この障害者計画の改定により、対応してまいりたいと考えております。
また、改定に当たりましては、国により示される「基本指針」や、障害者・障害児、実態・意向調査の結果等を踏まえ、本区としての計画の目標や基本的な考え方を策定してまいりたいと考えております。

●質問:幼小中一貫教育の研究成果と今後の方向性について
答弁:子どもたちの学ぶ意欲や、より豊かな人間関係をはぐくむために、根津地域と千駄木地域の二地域において、二年間研究を行いました。
この研究においては、異年齢・異校種の交流機会を拡大し、幼稚園から中学校までの十二年間の教育の中で体験活動を計画的・体系的に推進する方途について、実践を通して形付けてまいりました。また、教師は相互の学習内容や指導法への理解を深め、保育や授業の改善に生かしております。成果としては、子どもたちが人とかかわる楽しさを実感するなかで、様々なことに意欲的、かつ主体的に取り組む姿が多く見られたと報告を受けております。今後は、この二地域の実践をさらに継続し、その成果を区内全域で活用してまいります。

●質問:学力向上モデル校等の成果をどう評価し、今後どのように拡充するか
答弁:中学校では、生徒の学習内容の確実な定着を図ることや発展的な学習に対応するために、大学生等の学習支援ボランティアの協力を得ながら学習支援を実践的に研究いたしました。その結果、生徒の学習意欲の向上や検定等への取り組みの充実が見られ、指導体制の確立にもつながりました。
また、小学校では、実態調査を踏まえた指導内容・方法の改善、問題解決型の学習の推進、教科担任制の導入などに取り組み、児童の学習意欲の向上と学習内容の確実な定着を図り、保護者からも理解を得ております。
来年度は「文の京」学ぶ力レベルアップ推進校を拡充し全中学校が取り組むとともに、継続してこれらの実践的な研究をより一層進めてまいりたいと考えております。

●質問:学習指導要領の改訂について
答弁:中央教育審議会の「審議経過報告」では「言葉」と「体験」をキーワードに、「言葉の力」を全ての教育活動の基本とすることが明示されております。
今後改訂される学習指導要領につきましては内容を十分に理解するとともに、学校における児童・生徒への具体的な指導の視点を明確にしていくことが大切であり、教育委員会といたしましても、積極的に教育改革を進めてまいりたいと考えております。

●質問:特別支援教育への円滑な移行に向けた取り組みについて
答弁:今年度、文京区においては、すべての小中学校において特別支援教育コーディネーターを指名するとともに、校内委員会を設置いたしました。特別な支援を必要とする児童・生徒について、コーディネーターが中心となり、相談活動や具体的な支援方法を検討するとともに、養護学校等の専門機関との連携に取り組んでおります。
また、文部科学省から委嘱を受け、特別支援教育体制推進モデル事業に取り組んでおります。具体的には、高機能自閉症等の発達障害児が在籍する学校に臨床発達心理士を派遣し、巡回相談の形で、行動観察や教員への助言を実施しております。
さらに、地域の方や大学生がボランティアとして児童生徒を支援するバリアフリーパートナー事業は、十六年度の開始以来、ほとんどすべての幼稚園、小中学校で活用されており、文京区の協働協治の取り組みを示す事業として定着してきております。
今後はさらなる人材育成に取り組み、これらの事業を発展させるとともに、生涯を通じて活用できる相談支援シートの開発等、相談体制の整備にも取り組んでまいります。
また、将来的には各学校に特別支援教室の設置が必要となることから、固定制の心身障害学級に相当する支援教室の配置も含め、必要な教室の整備について検討してまいります。