2015年(平成27年) 2月 定例会 代表質問 白石英行 全文

2015年(平成27年)2月定例会

 自由民主党文京区議団の白石英行です。2月議会の一般質問を、党を代表して行わせて頂きます。
 質問に入る前に、イスラム教スンニ派の過激派組織「ISIL」(「イスラム国」と呼ばれている地域)において、二人の日本人、湯川遥菜さん、後藤健二さんが殺害されたと見られる動画が公開されました。御親族の御心痛を思えば、言葉もありません。誠に無念、痛恨の極みであります。非道、卑劣極まりないテロ行為に、強い怒りを覚えます。許しがたい暴挙を、断固、非難し、世界平和への道を全力で取り組む事を改めて誓わさせて頂きます。国際社会のご協力に感謝し、犠牲になられた方々に心よりご冥福をお祈り致します。

 さて、振り返れば、4年前 東日本大震災から2ヶ月足らずで実施された統一地方選挙で我が党は8名の区議が誕生し、(現在6名になっていますが、)それぞれの地域や活動を通じて、区への改善や新たな提案をさせて頂き、区民ニーズに対応してきたことを評価させて頂きます。

 一方、この間、国政では民主党から自民党へと政権交代し、安倍総理が誕生しました。区では地方交付税制制度において、不交付団体ではあるものの、国庫支出金や都支出金として本区の政策を促す大きな財源が確保されると共に、税制改正のみならず、各法改正により本区の財源・政策にも大きな影響が当たることから、国と都の動向を注視すると共に、連携が求められます。

 そして政府は、デフレからの脱却の為に「大胆な金融政策」「機動的な財政政策」「民間投資の成長戦略」の3本の矢が放たれ、2年間で、有効求人倍率は22年ぶりの高水準、賃上げ率は過去15年で最高率、企業倒産件数は24年ぶりの低水準、女性の就業率は80万人増など、大きな改善が得られたものの、国民一人一人や地方経済にその実感が届かず、「社会保障と税の一体改革関連法」で民主、自民、公明、3党が合意した、平成27年10月の消費税10%引き上げを延長し、昨年12月には、第3次安倍内閣が誕生し、現在、26年度補正予算が可決・通過し、27年度予算の審議が行われる、「改革断行国会」の総理の位置付けのもとで、各分野の規制改革を進めるほか、地方創生を加速化する第189回国会が開会されています。

 そこで、はじめに本区が来年度予算で、新規及びレベルアップにおける事業の内、国庫及び都支出金が含まれている事業数と主なものをお伺いします。
 また、この間、地方分権に逆行する税制改正には反対する姿勢から、一般質問や決算委員会総括で質疑してきました、法人税の暫定措置撤廃・地方法人税撤廃・法人実効税率の見直しの方向性や今般の消費税引き上げの延長による本区への影響をお伺いします。
 合わせて、都区財調協議での交付金割合、都市計画交付金の見直し、減税補填、調整税に連動財源対策経費などの方向性をお示し下さい。

 次に、今回の税制改正に「地方拠点強化税制」の創設がありますが、本区はこれに影響される事無く、逆に、研究開発税制改正によるオープンイノベーションを促進し、発展することが可能と考えますが、本区はこの新制度による産学官連携や地場産業発展の為に行える特性があると考えますが、お考えをお伺いします。

 次に、昨年12月に閣議決定された「地方への好循環拡大に向けた緊急経済対策」の21事業が示され、その中には「地域住民生活緊急支援のための交付金事業」があり、プレミアム商品券などが示されました。本区は、区商連と連携し、既にプレミアムお買い物券を発売しており、連合会より補助の増額要望があるほど好評を頂いています。今回の活用により得られる経済効果をどのように見込んでいるか、お伺いします。
 この他にも、「保育所等の緊急整備費」や「中小企業等の省エネルギー設備導入補助金」・「大学等における先端研究設備等の整備費」の活用が求められますが、お考えをお伺いします。
 また、本内閣には地方創生担当大臣が新設され、「ひと・もの・しごと創生本部」が設置し、地方の再生に向けて動き出しました。「東京一極集中の是正」が含まれているものの、人口減少への歯止めや経済成長力の確保が主点であり、昨年12月末には「創生長期ビジョン」と今後5カ年の「創生総合戦略」がまとめられ、本年1月には26年度政府補正予算案における事業と27年度予算案における事業が公表されました。これらの多岐に渡る事業について、今後どのように対応し活用していく方針かお伺いします。


 次に、公共工事の入札及び契約の適正化についてお伺いします。
 本区においては低入札価格調査制度を実施し、適正な入札を実施していることは、この間の学校等の工事を見ても十分に成果を上げていることは評価しています。
 一方、地域の建築業界の疲弊や技術労働者の減少など、社会資本整備に変化が見られており、地域の安心安全の維持に支障が生じる恐れがあることから、昨年6月に国は「入札契約適正化法」・「公共工事品質確保法」・「建築業法」などの改正を実施し、本年4月には「入札契約適正化法」改正が全面実施とされる事となります。本区においては、この趣旨を踏まえて、平成27年10月に、最低制限価格制度を導入するとのことですが、その理由と効果についてお伺い致します。

 次に、認定こども園についてお伺いします。
 先般の決算委員会にて仮称 お茶の水女子大学認定こども園の平成27年4月開設について質疑をさせて頂きました。今まで本区の幼稚園教育を担って頂いた私立園の地域特性からも、情報を共有しながら歩んで行く事を改めてお願い致します。
 また、本区には幼保一元施設 柳町こどもの森がモデル園としてスタートしていますが、一方で、政府は27年〜29年を子ども・子育て支援新制度により「取組加速プラン」として、幼児期の学校教育・保育・子育て支援について共通の仕組みを構築し、認定こども園制度の改善を掲げ、推進を図っています。
 本区として、今後の認定こども園への取組についてお伺い致します。合わせて、来年度の待機児童者数についてもお答え下さい。

 次に本区の人口動態から3点お聞きします。
 本区は、昭和30年代には26万人あった人口は、ドーナッツ現象を経た平成10年には16.5万人となり、都市回帰により、現在21万人に達しようしています。
 私はこの機会に新たに転入された皆様も、本区に愛着を持って頂き、定住性を高めて頂く絶好の機会と思っています。区の魅力を発展する「基本構想」の着実な実現に向け、時代ニーズに迅速・的確に対応する為に、財源を確保し、安定的な基金の運用がなされることで、「温故知新」のハード・ソフト両面の充実が図っていく事が求められます。
 そこで今後、基金の活用をどのようにお考えになっているのか?また、あらたな財源確保として実施していく方向性について、お伺い致します。
 また、着実な定住性の為にもコミュニティ形成は大事な点です。その基盤である町会への参加を促す、「担い手づくり」をどのようにバックアップしていくのかお伺いします。

 次に、本区の児童数は、着実に増加しているものの、合計特殊出生率は、1.09%と国や都の平均を下回っている状況です。昨年の決算委員会総括質問でこの点を指摘し、「合計特殊出生率の変動には社会経済状況や結婚、出産に対する意識など様々な要因が考えられるが、自治体が取り組む子育て施策の充実も重要であると認識している」と回答を頂きました。まさに、政府が取り組む少子高齢者社会の課題と共に、2050年の日本の総人口と持続可能な社会保障の課題に取り組まなければなりません。
 本区では、「happybabyプロジェクト」を実施し、不妊治療への積極的な支援も実施されています。一方他区では、2子目から保育料の無料化を実施するなどの取組に着手しているところもありますが、本区としての今後の取り組みを改めてお伺い致します。

 次に、特別養護老人ホーム整備についてお伺い致します。
 新しい文京区地域福祉保健計画 (文の京ハートフルプラン)高齢者・介護保険事業計画が来年度から3年間実施されていきます。この中で、高齢者人口が増える推移の中で、平成22年に前期高齢者数と後期高齢者数の割合が逆転して以降、10年後の平成32年には約5000人増加し、その後も団塊の世代が加わる平成37年などにかけて、より大きく伸びていきます。高齢者には元気に生きがいをもって住み続けて頂く為のサービス展開も必要ですが、介護認定率の推移を見ても前期高齢者は横ばいなのに対し、後期高齢者では平成12年比で10%上昇している現況です。
 このように、福祉分野での行政需要は高まっており、2010年の私の一般質問でのご回答も「介護が必要な高齢者の増加が予想されることから、検討が必要な段階にきているものと認識している」とされ、現在、教育センター跡地に特別養護老人ホーム建設に向け説明会が行われています。また、この時「都有地活用による地域の福祉インフラ整備事業」の活用をお願いし、現在、小石川郵便局裏に
日中活動支援事業所  は〜と・ピア2(ツー) 
障害者グループホーム 「陽だまりの郷」があり、
公有地を活用した福祉施設の着実な進展が見られます。
 これらの社会福祉需要に対し、国有地や都有地の活用を図り、区内整備を実施している事は評価します。そこで、昨年の一般質問においても、「国家公務員宿舎については、平成28年度末までに大幅に削減となることが決定しており、区として中長期的視野に立った、施設配置計画や財政計画の為にも、適時、情報収集及び国への要望を行っていく」との答弁を頂きましたが、先に述べたように、高齢者人口推移の行政需要を踏まえ、次の施設用地獲得に向け、精力的に実施することが求められますが、現況と方向性をお伺い致します。

 次に、国民健康保険制度・後期高齢者医療制度についてお伺いします。
 健康保険法改正で行う、国保の赤字については、今まで本区は本来保険料で賄う支出の一部を、一般会計からの繰入を行い実施してきた経緯があります。改正では、社会保障制度改革国民会議報告書や厚生労働省案はその費用負担を被用者健保に求めようとするものの、健保連などからは強い批判も出ていると聞いています。平成30年に国保の保険者を区から都に切り替えるとはいっても、引き続き区は、基幹業務を担っていく事となりますが、新しい制度において、都と区の関係はどのようになって構築されるのか、ジェネリック医薬品の普及や健康診断受診率向上などの業務も急務になっていますが、どのように推進されていくのか、お伺い致します。
 また、「地域医療・介護総合確保推進法」で、医療・介護サービスの提供体制の改革が進められ、地域包括ケアシステムが本区でも構築されています。先に述べた人口動態から、病床の機能分化、在宅医療・介護の推進、医療従事者の確保・勤務環境の改善などに対応する為、消費税増収分を活用した「地域医療介護総合確保基金」が活用されていますが、来年度における展望は如何かお伺い致します。
 合わせて、このように在宅サービスが充実することで、区民への情報提供の充実が必須になります。新たに介護を必要とするか否かの判断には、相談先の情報以外にも、居宅サービスの舵取り役であるケアマネージャー情報や利用サービス状況などの提供により、より理解が深まり安心を提供できます。
 先に述べた、文の京ハートフルプランでは、「様々な媒体の活用」とありますが、これらの情報はタイムリーに更新され、提供されなくては意味がありません。時代ニーズをしっかりと踏まえ、早期に実施していく必要があると考えますがお考えをお伺いします。

 次に東京オリンピック・パラリンピックに向けた対応について2点お伺い致します。
 開催まで2000日を切り、東京都は、「東京都長期ビジョン」を都政の方針として策定し、レガシーの視点から「都市づくりのグランドデザイン」を策定しています。本区においても、この視点を保持しつつ、開催に向けハード・ソフトの充実が必要となります。
 ソフト面では、本区も女子サッカークラブ「文京LBレディース」や「野球・ソフトボール開催にむけての活動」などのスポーツ振興をはじめ、区民の意識の醸成などが実施され、着実な成果と新たな取り組みを図る事が期待されています。
 ハード面においては、自治体間のキャンプ地誘致について、都内においても、13区13市1町の27自治体が誘致の希望を示したとの都の調査結果もあり、日に日にその機運も高まっていくことと思います。この機会は、経済効果だけでなく、区民がアスリートを体験できる絶好の場であり、私が生まれた昭和39年以来の体験になります。本区ではどのような方向性をお持ちでしょうか。
 また、本区が所有するスポーツセンターや小石川グランドなど練習場などに活用するよう誘致する為に、改修やその活躍を目にする為にも観覧席の設置などの必要性を考えますが、お考えをお伺い致します。

 次に海外への区の情報発信についてお伺いします。
 まず、現在「文京区史の編さん」を行っていますが、その進捗状況をお伺いします。この編纂は、本区の歴史を紐解くと共に、魅力が再発見される事と思います。先に述べた国の「地方への好循環拡大に向けた緊急経済対策」の中の「地方の魅力発信」についての事業や都の長期ビジョン「日本人のこころと東京の魅力の発信」があり、この編纂作業の中から時代ニーズに合った情報を引き出し、海外に向けて同時発信する準備を進めていくべきと考えますが、如何でしょうか、お考えをお伺いします。

 次にメディカルhongoプロジェクトについてお伺いします。 
 新たな基本構想に、地場産業として医療機器がクローズアップされ、区の連携による活性化や情報発信を質問させて頂き、昨年の一般質問では、国家戦略特区における「医療・創薬イノベーションの拠点形成」に関するプロジェクトについて、再度質問させて頂き、当にチャンス到来と私は思っています。
 そこで、本区は、区内医療機器関連産業と他地域との産業交流で協定を結ぶなど着実に歩んできていますが、その協定の成果は如何でしょうか、また、この実績から更に拡大をしていく事を期待しますが、その状況をお伺い致します。
 これらの成果を踏まえて、メディカルhongoプロジェクトが発展し、区内産業を活性化してく一つの手段として、都長期ビジョンにある「開業率の向上」などにも展開されることを望みますが、その方向性の構築について、お伺い致します。

 次に、新江戸川公園整備事業についてお伺い致します。
 現在、新江戸川公園集会所「松聲閣」改修工事を進め、その歴史性を新たな魅力として、観光客誘致施策を図るとしています。
 このエリアは目白台グランド・永青文庫・芭蕉庵・椿山荘・カテドラル教会・区立江戸川公園・有楽町線江戸川橋駅が点在していますが、文化のみならず、樹木の変化や神田川にかかる桜など季節によっての楽しみ方も多岐に渡っています。
 今後の賑わいの創出では、地元の地域振興に寄与し、発展する為に2点お伺いします。
 1点目は、松聲閣・新江戸川公園と周辺道路の整備について、一体的な改修が必要となりますが、桜などの樹木の鑑賞の為の、街路灯の工夫など、現況をどのように把握し、改修していくのか方向性をお伺いします。
 次に、当地には、町会活動に加え、関口台町小学校や獨協学園、出版社なども加わり活発に行われています。これらの地域活動に、江戸川公園を活用して頂く事業など、連続したハード面を協働して整備をし、イベントの育成していくことが必要と考えますが如何でしょうか、お考えをお伺い致します。

 最後に、教育委員会制度についてお伺いします。
 昨年6月、60年ぶりの大幅な見直しにより、「地方教育行政の組織及び運営に関する法律」が改正され、4月1日に施行となります。この制度には、4つのポイントが掲げられ、1.教育委員長と教育長を一本化した新「教育長」の設置2.教育長へのチェック機能の強化と会議の透明化3.「総合教育会議」の設置4.教育に対する「大綱」を首長が策定し、実施されます。
 これにより、責任体制の明確化、教育委員会の審議の活性化、迅速な危機管理体制の構築、首長との連携強化、いじめ再発防止の為に国が教育委員会に指示できることなど、委員長と教育長を兼ねた新教育長を首長が直接する仕組みとなり、一方的な価値観ではなく広い視野が求められるという、教育行政の特性が期待されます。
 原口教育長には、就任当時に、基本構想と教育行政の推進方針についてお伺いし、『基本構想実施計画に基づき、文京区の教育行政を着実に実施していくことは、私に課された職責である共に、東日本大震災後、地域と家族の絆が改めて注目され、学校現場においても、 今後ますます地域や保護者との連携強化が重要となる事や次世代を担う子どもたちが、一人ひとりの個に応じた「生きる力」、「生き抜く力」をはぐくんでいく』と御答弁頂き、新学習指導要領の全面実施と「区立小・中学校将来ビジョン」の整合性については、 35人学級の導入を進める義務標準法の改正や、幼保一体化施設を始めとする子ども・子育て新システムへの対応、 特別支援教育に関する障害者制度改革の検討状況など、本区の教育施策に大きく影響する国などの制度改正を視野に、教育基本法に基づく「教育振興基本計画」を策定頂きました。
 そこで今後、この改正において本区の子どもたちにとって、どのような方向に向かっていくのか、また、教育長が描く将来展望は如何なものかをお示し下さい。
 50年先、100年先も子供達の声をしっかり支える文京区であるよう、地域や保護者との連携による支援も充実し、区民の理解が溢れる「文の京」の構築をお願いさせて頂き、質問を終わります。

 答弁の感想としての発言
 
 今回は、来年度予算を決定する議会でもある為、成熟しつつある地方自治体の政策を進める為に、「地方主権」と共に、「交付金」の活用についてお聞きした。
 また、区民は、安心して住み、働き、育て、学び、遊ぶ環境を期待し、行政と議会はそれをコーディネートしなければいけない。
 人口動態からも、今まさに「ふるさと」づくりに着手し、愛着ある文京区にしていく為に現在ある制度の中で、国・都と連携を深める事を期待する。
 教育改革については、35人学級の取り扱いについて、多くの幼なじみと団体教育を学ぶ環境を保持しつつ、環境改善に取り組む事を期待する。
 各部の政策については、同僚議員より各委員会・予算委員会のて議論を深めます。


201
5年(平成2
7年)2月定例会

          白石英行代表質問 答弁編

■赤字が質問要旨
■黒字が区の答弁


新規事業等における国や都の財源が含まれる事業について
平成27年度予算の重点施策、63事業のうち、新規及びレベルアップ事業は、48事業となり、その内、国庫支出金及び都支出金の含まれる事業は、13事業であります。
主な事業としては、「学校施設の快適性向上」、「木造住宅の建替え及び分譲マンションの耐震化促進助成事業」、「障害者基幹相談支援センターの設置」などがございます。

法人課税及び消費税率引き上げ時期の延長による影響について
27年度地方税制改正において、法人事業税の撤廃や法人住民税の国税化の見直しが行われなかったことは、決して容認できるものではございません。
また、消費税率の10%への引き上げ時期の延長により、地方法人課税の偏在是正についても、28年度以降に具体的な結論を得ることとされました。
さらに、法人実効税率を20%台まで引き下げることを目指して、法人税改革を継続することも明記されることから、区の財政運営において、不透明感が増すものと考えております。
区長会としても、昨年11月に、都や都市長会、都町村会と連名で、「地方法人課税の見直しにあたっては、限られた地方財源の中で財源調整を行うのではなく、総体としての地方財源の拡充という本質的な問題に取り組むよう」、国に強く要請しており、今後も厳しい姿勢で臨んでまいります。

27年度都区財政調整協議について
区側としては、都区間の合意事項である配分割合については、変更事由に当たる事項はない、と判断し、現行の配分割合で調整に臨んでまいりました。
その中で、現行制度上の諸課題と位置づけております、特別交付金の割合、減収対策のあり方、都市計画交付金のあり方等については、具体的な対応策の議論には至りませんでした。
区側が、主張してきた課題については、来年度も引き続き、都区財政調整協議において訴えてまいります。

地方拠点強化税制による産学官連携や地場産業発展について
本区には、大学が集積しているため、大学の研究成果を活用したベンチャーが生まれやすい環境にあります。
また、大学の附属病院が多く立地している本郷地区には、医療機器産業が集積しております。
さらに、「文京区産学官連携イノベーション創出協議会」においても、本区は、大学との共同研究開発に取り組みやすい特性があるものと提言がされており、議員ご指摘のとおり、今回の税制改正は、企業と大学との連携を更に促進し、区内産業の振興に寄与するものと考えております。

「地方への好循環拡大に向けた緊急経済対策」 交付金の活用について
プレミアムお買物券事業については、流通による消費喚起を促し、波及効果も生まれることから、一定の経済効果が期待できるものと認識しております。
来年度については、「地域住民生活等緊急支援のための交付金」のうち、都事業分の「消費喚起・生活支援型交付金」を活用し、プレミアムお買物券事業を拡充してまいりたいと考えております。
なお、実施方法等については、事業主体である文京区商店街連合会と協議を進めてまいります。

「地方への好循環拡大に向けた緊急経済対策」補助金について
これまでも国や都の補助金や交付金については、区での活用や事業実施主体への周知を図ってまいりましたが、引き続き、多様な区民ニーズを捉え、可能な限り、活用を検討してまいります。

国や都から示された交付金を活用した事業への対応について
本年1月に、国が示した平成26年度補正予算における「地域住民生活等緊急支援のための交付金」については、先程ご答弁申し上げたとおり、まずは、「消費喚起・生活支援型」の都事業分を活用し、プレミアムお買物券を拡充することとしております。
このほか、国から区への直接交付分や「まち・ひと・しごと創生」に向けた総合戦略の先行的実施のための交付金等を活用し、地域経済への波及効果が高いと考えられる施策について、来年度実施に向け、引き続き検討してまいります。

最低制限価格制度の導入について
昨年6月、ダンピング受注の防止による建設工事の品質の確保と、その担い手の育成・確保を目的に、入札契約適正化法が改正されたところであり、本区としても、入札に最低制限価格制度を導入することで、法の主旨に沿う効果が期待できるものと考えております。

認定こども園の今後の取り組みについて
保護者の就労状況に関わりなく、子どもが教育・保育を一体的に受けることのできる認定こども園については、現在、「子育て支援計画」策定の中で検討を進めております。
今後の取り組みとしては、お茶の水女子大学との協働による区立認定こども園の平成28年度開設を皮切りに、29年度には、区立幼稚園の認定こども園化を目指してまいります。
認定こども園化にあたっては、3歳児の定員拡充の状況を考慮するとともに、地域バランスや教育・保育の質の確保、食事の提供方法等、様々な課題について検討してまいります。

私立幼稚園への配慮について
私立幼稚園については、今後とも適切な情報提供に努めるとともに、各園の特性や考え方を尊重してまいります。

保育所待機児童数について
本年4月入園の一次募集の状況としては、昨年度より募集人員を225人分増やしたところですが、一方で、応募者数も181人増加しております。
最終的な待機児童数については、認証保育所等の入所状況が確定する5月以降に判明していくものと考えております。

人口動態の推移から見る、今後の基金の活用について
これまで、景気変動等による財源不足や、大規模施設整備による一時的な歳出増に対応するため、積極的に基金を活用してまいりました。
これにより、福祉センター、礫川地域活動センターを始めとした区民施設や、教育センター、第六中学校などの教育施設の大規模整備など、基本構想の実現に向けた様々な事業を着実に実施してきたところです。
今後も、適切な予算編成と予算執行により生じた財源を積み立てた基金を、有効活用し、区民のニーズに迅速かつ的確に対応してまいります。

人口動態の推移から見る、新たな歳入の確保について
これまでも、「行財政改革推進計画」に基づき、自動販売機の設置方法の見直しや区ホームページへのバナー広告の掲載に取り組んでまいりました。
今後も、区有財産の有効活用等による歳入確保策について、幅広く検討してまいります。

人口動態の推移から見る、コミュニティ形成のための担い手について
町会・自治会の担い手づくりや活動の活性化には、加入促進が重要であると認識しております。
そのため、先般発行された区報2月10日号1面に町会・自治会活動のPR記事を掲載したほか、区への転入者には、手続きの際に、窓口で案内パンフレットを配布するなど、情報提供を行い、加入者の増加への支援を行っております。
また、地域活動センターでは、活動場所の提供や各種活動への支援を行っております。今後とも町会・自治会の活性化による担い手づくりへの支援に努めてまいります。

日本における少子高齢社会への本区の対応について
ご指摘のとおり、少子化対策には、国の主体的な取り組みは勿論ですが、自治体が取り組む子育て支援施策の展開も重要であると認識しております。
本区においては、これまで、待機児童対策をはじめとして、様々な子育て支援策の充実に取り組んできたことが、近年の出生数、幼少人口の着実な増加に結びついたものと考えております。
今後とも、子育て支援を重点施策の一つと捉え、引き続き、私立認可保育所の開設を中心とした待機児童対策に取り組むほか、文京区版ネウボラ事業による妊娠・出産・子育て期にわたる切れ目のない支援や、男性不妊検査費助成事業、さらには、放課後全児童向け事業の展開など、子育て支援策を積極的に推進してまいります。

人口動態の推移から見る、特別養護老人ホームの整備について
これまでも公有地を活用した福祉施設整備を進めてきたところですが、今後も特別養護老人ホームへの入所を必要とする高齢者の増加が見込まれることから、次期「高齢者・介護保険事業計画」では、「東京都長期ビジョン」も踏まえた、更なる特別養護老人ホーム整備計画をお示ししました。
現在、国家公務員宿舎の削減計画等により処分が予定されている国有地については、順次、国から情報提供されておりますので、立地や規模等を多角的に検討し、積極的な活用を図ってまいります。
その他、区内にある国有地や都有地の情報を収集し、活用を検討するなどにより、計画に示した整備目標を着実に達成してまいります。

国民健康保険制度改革について
平成30年度から、都道府県が国民健康保険の財政運営の責任主体となり、安定的な財政運営や効率的な事業運営の確保等の中心的な役割を担うこととなります。
都道府県は、統一的な国保の運営方針を定めるほか、保険給付に要した費用を区市町村に確実に支払うこととされております。
また、区市町村は、保険料の徴収、資格管理、保険給付の決定、保健事業など、地域におけるきめ細かい事業を、引き続き担うことになります。
なお、「医療費適正化計画」の見直しにあわせて、特定健診・保健指導等に係る現行の指標について必要な見直しを行うとともに、ジェネリック医薬品の使用割合等を追加することが予定されていることから、その目標に向けた取り組みを実施してまいります。
都道府県と区市町村の役割分担については、引き続き協議を進めることとされておりますので、今後も国や都の動向を注視するとともに、適時適切に、必要な要望等を行ってまいります。

地域医療介護総合確保基金について
本年1月、都より示された「平成27年度在宅療養推進に向けた都の取組」において、地域医療介護総合確保基金を活用した「区市町村在宅療養推進事業」が提示されております。
この事業には、「医療コーディネート体制の整備」、「退院患者への医療・介護連携支援」、「在宅医と入院医療機関の連携促進」のメニューが示されておりますので、内容を精査し、関係諸機関と協議しながら、本区の実情を踏まえて活用に向けた検討をしてまいります。

区民への介護情報の提供について
サービスを有効にご利用いただくために、相談窓口の充実やパンフレット等でのわかりやすい説明に加えて、27年度には、区内の相談窓口の紹介や、介護事業者サービスの空き状況等を検索できるシステムを導入し、区ホームページで公開するなど、タイムリーな情報提供に努めてまいります。

2020年東京オリンピック・パラリンピックに向けた施設整備について
東京オリンピック・パラリンピック競技大会キャンプ地については、本区も誘致の希望を示しているところですが、参加国の意向と競技団体の施設基準等に合致することが重要な要素となります。
また、各競技の練習会場選定についても、現在、大会組織委員会がその具体的な内容を検討しているところです。
本区においては、関係機関・団体からの情報を収集し、キャンプ地及び練習会場選定への積極的な誘致活動に取り組んでまいります。
なお、スポーツセンターは、全面バリアフリー化や新たに空調設備を導入する等、練習会場に選定される可能性も想定して、全面改修に向けた実施設計に着手いたします。
また、小石川運動場への観覧席設置については、設置の可否を含め、今後、検討してまいります。

海外への区の情報発信について
区史編さんの進捗状況については、昨年7月に、「文京区史編さん委員会」を立ち上げ、8月には、基本方針を決定し、編さん作業に着手しました。
現在、区史本編の基本構成を受託事業者及び執筆者とともに検討中であり、来年度には企画案を固め、原稿執筆に着手する予定です。
今回の区史では、本編に加え、写真集の刊行を予定しております。本区の魅力を再発見するよい機会と捉え、内外に発信してまいります。

医療機器産業ににおける、医工連携の協力に関する覚書の効果について
覚書締結以降、交流が盛んに行われており、両区主催による展示会の開催も含めて、個別具体的な企業間の商談へとつながっていると聞いております。
今後も、このような場を設定するとともに、来年度から取り組む「メディカルHongoプロジェクト」において、自治体間連携を拡大することにより、更なる企業間交流の進展が図られるものと考えております。

創業支援について
本区は、産業競争力強化法に基づき、国に「創業支援事業計画」の認定申請を行ったところです。
今後、この計画に基づいて、様々な創業支援事業を実施することにより、区内における創業件数の増加を図ってまいります。

新江戸川公園整備事業の現況把握と改修の方向性について
現況については、観光客の回遊性や景観の調査、塀や樹木の健全度調査等により把握しております。
また、改修の方向性については、公園利用者へのヒアリングや周辺観光施設との協議会、地域住民への説明会等で出された意見を踏まえ、日本庭園の魅力の向上、児童遊園と日本庭園との一体化、周辺観光施設との景観調和を整備の基本と考えております。

新江戸川公園整備事業での地域活動を踏まえた整備について
江戸川公園では町会による桜の花祭り、目白台運動公園では地域団体による自転車実技教室の開催など、様々な活動が行われております。
新江戸川公園等の整備にあたっては、江戸川公園から目白台運動公園までの連続性も考慮し、歩行空間の確保や出入口の設置など、様々なイベントでの活用ができるよう整備を進めてまいります。

教育委員会制度及び将来展望について
ご案内のとおり、今回の法改正により、区長と教育委員会との連携が強化されるため、両者の協議・調整により、教育政策の方向性を共有し、一致して執行にあたることが可能になります。
また、教育の政治的中立性、継続性・安定性を確保するため、教育委員会は、引き続き合議制の執行機関と位置付けられています。
したがいまして、子どもたちにとって必要な教育施策を展開していくこれまでの本区の方向性に大きな変更はないものと認識しております。
なお、区長部局との連携強化により、学校や家庭だけでなく、地域が一体となり、地域全体で子どもたちを育んでいく取組がさらに推進できるものと考えております。
今後におきましても、本区の子どもたちの「生きる力」及び「生き抜く力」を育むため、学校教育における知・徳・体のバランスのとれた力の育成、地域ぐるみで子どもの教育に取り組むための連携・協働、子どもの学びを保障する教育環境、これら3つの視点に基づく教育振興基本計画の着実な実施に取り組み、教育ビジョンに掲げられた「個が輝き共に生きる文京の教育」をより一層推進してまいります。