2017年(平成29年) 9月 定例会 代表質問 白石英行 全文

2017年(平成29年)9月定例会

 自民党の白石英行です。2年前の改選後、第45代議長に選任されておりましたので、今期初めての一般質問となります。区長、教育長よろしくお願いします。
 今回は、区政運営・地方主権の確立と20年後も持続可能な文京の為に6点、20年後も持続可能なまちづくりの為に6点及び学校教育について1点お伺いします。

 始めに7月実施された都議選の結果から1点お聞きします。
 自民党が下野した2009年の総選挙後の第3回定例会で、私は一般質問において、「景気浮揚がなくて、雇用も消費も回復しないのは、明らかで、国民生活の安定と将来への不安感が解消されなければ、消費が回復し景気が回復しないのも明らかです。」と2つの考え方がぶつかった選挙と総括させて頂き、また、この際に、現麻生 財務大臣が発言した「中福祉・中負担が国の目標」について区長のお考えもお聞きしました。
 この質問は1億2000万の人口をかかえ、資源を持たない狭い国土、少子超高齢化など、これら、日本の置かれた状況から見れば、目先の安心を求めるよりも、厳しい現実を受けとめながら施策展開に当たり中期的視野を持って頂く為の質問であり、区長からもそのようなお答えを頂きました。
 さて、今回の都議選では、議席を伸ばした政党の13の基本政策の内、目新しいものとして、「忖度だらけの古い議会刷新」「黒塗りの公文書を改めての情報公開」「利権の一掃」があり、政策立案過程について改めて触れられた選挙であったと感じています。
 そこではじめにお聞きしたいのは、本区では、煙山区政時において区議会と共に、自治基本条例を制定し区民、地域活動団体、非営利活動団体、事業者、区などをそれぞれ「対等の関係」と位置づけ、相互に協力して自治体運営をしていくという「協働・協治」の考えを自治の理念に盛り込みました。
 成澤区政においても継承され成熟し、開かれた区政運営と区民が感じていると期待していますが、その成果と課題についてお聞かせ下さい。
 次に都と区の関係についてお伺いします。
 昨年度、23区議長会の会長につかさせて頂き、多くの会議体に参加することで、特別区の置かれた立場を全国的・関東的・東京的視野から見ることができ、時の議論に痛感させらたこともしばしばありました。ここでは多くは述べませんが、区民の大事な財源はしっかり押さえ、首都東京にふさわしい住環境整備を行いたい事は伝えてきました。また同じ見解なのは、身近な自治体が行うべきことをしっかり市区町村が行うことと実感しました。地方分権一括法が2000年に施行され、機関委任事務・通達が廃止され、条例制定権や法令の自主解釈権が拡大した一方で、住民の価値の多様化・多元化が生まれ、福祉国家へと舵が取られ、本区も基礎的自治体としてスタートしたものの、現在、都区間協議は止まっている状態であることが残念で仕方ありません。大都市の一体性の概念を都と長年に渡って議論して、保健所や清掃事業が区へ移管されたものの、市と同様の業務がおこなわれているとはほど遠い状況という認識が市議会議長会でもたれている印象でした。
 23区が共同で実施している、13年前に移管された清掃事業や大井競馬また、オール東京で運営している後期高齢者医療制度など実績がある中、区が積極的に議論してきた事務事業移管項目など早期に地方分権一括法の精神に則り、区として、また広域連合としての仕組みを行かし、地方主権を議論すべきと考えますが、お考えをお伺いします。
 また併せて先の清掃事業ですが、東京23区清掃一部事務組合を設立し、共同処理を実施しており、様々な課題について清掃議会で議論しましたが、東京の持続可能な清掃事業を進めていく為には、民間委託しているからこそ、雇用確保の点からも現場で汗し従事する職員の安全性と従事したい環境整備を進める事も大切な事と考えます。その現状と課題についてお伺いします。

 財源確保については、都と共に行動を起こし、地方に分配する偏在是正措置が、日本の社会・経済の牽引である特別区の財政に多大な影響を与える結果にならないようにしなければ、後に述べますが、特別区は行財政改革を進め政令市や中核市よりも少ない職員数で事務量が増えても必要な財源が確保されません。2018年税制改正に向けて、全国知事会では地方消費税の配分割合が焦点になっております。森林環境税については先日、総務大臣に要望書を区長会として提出されたように「地方税として徴収した税を他の区市町村へ再配分することは断固阻止し、国税として対応することなどの動向について、しっかりと対応をして頂きたいと思いますがその見通しは如何かお伺いします。


 次に20年後も持続可能な文京区で有るために何点かお聞きします。
 先に、自治基本条例についてお聞きしましたが、「協働・協治」の理念、とても大切であると思います。この理念を制定した煙山区政下の本区の人口、財政は区政の中でももっとも厳しい2000年の頃であり、人口は16万5000人、財政調整基金は、72億円であり、前年度の経常収支比率は92.6%でした。2003年に研究会の報告を受け、「『文の京』の区民憲章を考える区民会議」を通して2004年12月に制定されました。この翌年、小泉内閣郵政解散があり、「民でできることは民で」が定着した頃であり、先に話した自治基本条例は本区が先取りした理念と誇りに思った時期でもありました。
 本区がこのような行動を行えたのも、文京区民の協力的な日常があってのことであり、遠藤区政が行ってきた成果でもあり、先代の皆様に感謝するところです。
 そこでお聞きしますが、あの煙山区政下において、逼迫した財政状況を改善する為に実施した行革の中で、歳出抑制の為に、全てのサービスを平等にカットした経緯があり、地域団体への補助金は運営補助から事業補助になり補助金が同様にカットされ、今に至ります。
 先に述べた
地方分権一括法により、本区のサービス量も増えた事は否めませんが、この施行に当たっての社会背景や財源背景が異なる事から改善すべき点ではないかと考えます。例えば、防犯、防火事業など人口も増えれば参加が増え、啓発などの取り組み方もレベルアップしていかなければなりません。
 「協働・協治」を共に歩んでいく団体の今後の活発な活動の為にも、今の実態にあった団体補助金制度へ転換を求めますがお考えをお聞きします。
 また、私は補助金を頂かないボーイスカウト活動を展開していますが、社会奉仕への理念は社会福祉協議会のフミコムに登録されている団体の皆さんと同じの方向性であり、多くの区民がそれぞれの経験を生かした活躍の場を待っていると思います。他の自治体では、2020年オリパラに向け、地域団体の育成に取り込んでおり、新たに「文化プログラム補助」を実施しているケースもお聞きします。私は趣向を凝らした、また時には区が独自プログラムをつくり、このような取り組みを行っていく大切な時期にきていると考えます。しっかりした団体ほど、年間の予定を年度当初に決め、年間予算を組むはずですので、急な予算化ではなく、年末までに方向性を決め、協力を求め団体同士が共同し開催し、本区の魅力が磨かれるプログラムが実施される事を望みますがお考えをお伺いします。私の子供の頃に実施されていた「文京ふるさと祭り」も良いかもしれません。

 2点目に本区の職員についてお伺いします。
 平成28年の特別区非常勤職員労働災害補償の認定状況から本区の状況を見て見ますと、常勤職員数は1806人で23区中16番目に当たり、認定件数は23区中18番目、非常勤職員の給与費総額は23区中2位で認定件数は1位となっています。
 労働災害はあってはなりませんが、労災申請の傾向は、人数と給与費総額が増えれば、件数も増える傾向であり、職員皆さんの健康管理が大切です。ここで非常勤職員の労災が平成25年14件、26年19件、27年10件、28年15件と他区より高く発生している事についての見解をお伺いします。
 また、このような傾向になるのは、他区に比べ常勤職員が少なく非常勤職員が多い実態があります。平成25年から非常勤職員の給与費総額の推移を23区で見て見ると、各年で増減があるものの減少傾向にある区が8区で、他の区は増えておりその中でも文京区は足立区に続いて2番目となっています。
 財源が厳しい折には、常勤不補充という時期もありましたが、区職員数の適正な規模を確保していく事は、高度化・多様化していく22万区民と協働していく為に必要な事であり、チーム文京の力が維持されていかれます。平成29年度からの基本構想実施計画では、平成38年度まで、特別区税は伸びる一方で、義務的経費の人件費は横ばい傾向になっています。
 そこで始めにお聞きしますが、今後の職員数、外部委託や非常勤職員の給与費総額との人材配置や業務内容はどのようにお考えなのでしょうかお伺い致します。
 一方で、平成28年4月に施行された改正地方公務員法により、地方公共団体において、能力・業績に基づく人事管理の徹底を図る人事評価制度の導入が義務づけられ、この課題として人材育成や働き方の見直しに取り組みが必要とされました。本年3月に政府は、働き方改革実行計画を決定し、働き方改革・生産性向上のための改革・人づくりのための改革を合わせた「生産性向上国民運動推進協議会」をスタートし、労働生産性の向上を目指し、文化やライフスタイルとして長年染みついた労働慣行の大改革を目指しています。
 他区ではフレックスタイムなどの実施が始まり、本区は8月に「新たな働き方ニュース」を発刊し、他の自治体のトップランナーになることを期待しますが、今後の課題についてお伺いします。

 この項の質問の最後に、本区が後に述べるセンシュアス・シティであり続ける為に、奉仕の精神とチャレンジ精神が生きる役所であるようそれぞれの力でモチベーションの高い仕事環境を構築されることを期待しています。

 次に情報管理システムと情報政策課についてお伺いします。
 情報政策課においては、情報システムの運用管理及び総合調整やIT推進など電子時代のニーズをハードとソフト面で支えて頂いていると思います。
 先般、国保や介護保険においてプログラムの人為的ミスがありました。このことこそ、縦割りでなく横串連携し、未然防止ができたのではないかと考えます。区では情報政策課が関与しない情報管理システムがどのように点在しているのか、中野区のように、情報管理(ISMS)に関する国際認証ISO27001を全庁で習得し、ICT活用への挑戦と情報リテラシーを構築していく事が必要と考えますが、本区の取り組みについてお伺いします。

 次に地域連携についてお伺いします。
 先日の区政会館だよりで「特別区全国連携プロジェクト」の一環として本区と墨田区が紹介され、本区は10の自治体との「文人からつながる多角的な連携」を披露しました。この連携が更に区民に浸透して行く事が大切です。
 魚沼市とは30年という年月が両自治体の交流を深め、本区以外にも足立区・江戸川区・船橋市の総勢9523人の公立小中学校の児童生徒が豊かな自然を「魚沼市体験交流推進協議会」の協力も受け展開をして頂いています。この経験を生かしつつ、他交流自治体との区民交流が活発に行って頂ける環境整備に取り組んで欲しいと思います。
 地方創生の動きがある中で、この交流が感じ取られる手法を両自治体で考える良いチャンスと思います。独自に訪問される区民の方々へ、単にホームページのリンクを張るのでは無く、例えば他の自治体の補助制度などで一定期間内の旅費が安くなることもあると聞いていますので、その広報や魅力を個別に紹介するページを設け、安心感や旅先で訪れた際には「文京区の方ですね」と声をかけて頂けるような、「交流都市紹介状又はパスポート」の発行などをして交流を深める事を検討していく事を望みますがお考えをお伺いします。

 20年後も持続可能なまちづくりとして何点かお聞きします。
 政府は地域の活性化として、地方創生や特区制度など様々な方策を実施する一方で、東京一極集中の是正を図る為に、大学定員規制などが始まっています。23区内の大学では、この改正を予測し、先に申請していたとも報道されていますが、いずれにせよ街に魅力がなければ地域再生に到達できません。
 本区は、2015年に「HOME'S総研」による研究報告書「身体で経験する都市;センシュアス・シティ・ランキング」で一位となった事は、ハードでなく、「共同体に帰属している」や「歩ける」の指標で高い評価を得た結果となりました。今後も持続可能な街の為には新たな担い手の方々の「人が出会い協調できる」ことを大切にして頂きたいと思いますし、いわゆるダイバーシティ的な多様性から新しい発見をする場も構築することで、新しい産業も生まれる可能性もあると思います。
 そこで現状施策を認識した上で「共同体に帰属している」という認識を今後どのように発展させていくのかまずお伺いします。
 また、本区の魅力である教育機関では、目白台の東京大学分院跡地での公共性への協力や関口の東京音楽大学の移転計画ではどのような検討がされているのかお伺いします。

 次に地域産業発信力についてお伺いします。
 2014年都市マスタープラン改定時に、医療産業を盛り込んで、大田区との連携など「メディカルHongoプロジェクト」を実施してきましたが、この魅力の発信力をどう評価しているでしょうか。
 昨年、パイオニア本社が横浜から千石に移ってきたように、大学とIT産業連携をする企業体も区内に点在しているようになりました。国の地方拠点強化税制による産学活性化は「文京区産学官連携イノベーション創出協議会」で議論されているとお聞きしますが、こちらもどう評価されているでしょうか。
 どちらもこれからの文京区にとって、兼ね備えていくべき魅力であり、新たな事業者が、区民として協働して頂くことは力となり、共に発展する姿を期待していますが、区内外に情報発信力が他区に比べ弱いと私は思いますが、現況の認識をお伺いします。

 次に再開発事業と地区計画についてお伺いします。
 先にセンシュアス・シティについてお話しましたが、この点を大切にしながらも住民の安心安全や資産を守る事が大切です。 
 都内では、上野周辺の再整備や小池知事は築地の再開発、中央区は国際金融として兜町再開発、港区ではJR駅周辺の地区計画など新たな魅力構築に乗り出しております。
 本区では、文京区役所を更新するに当たり、集約施設として、ランドマークとして本シビックセンターをつくりました。当時の周辺地域でも、夢のあるまちづくり計画がつくられていましたが、時代の変化を受け止め、都市マスタープラン改定前からシビックセンター周辺まちづくり協議会が立ち上がり、多くの方々の参加のもと練られました。また、後楽園遊園地からラクーアへの転換、前都市マスタープランでの後楽地域の再開発など、このエリアが変貌していく中で、シビックセンター周辺まちづくり協議会から現在進行中の春日後楽園駅周辺再開発事業と結びついて参りました。
 簡単に言えば、本シビックセンターから始まったという点です。当時の遠藤区長は「街が高層化になるにつれて1階の活用がなくなり商店の衰退」を懸念されていましたが、この間、バブル崩壊時の歯抜けの土地状態を経験しつつ、流通のあり方も大きく変わりました。
 ここで春日後楽園駅周辺再開発事業に目を向ければ、雇用定員が不足となりつつある介護福祉士国家試験を受験される方の学校や保育、医療、商店と時代に合った変貌が行われ、長年の地権者の思いが地域活性化として現れます。
 このように地権者でありこの地を良く知っている区民が、長年の経緯や経験からまちづくりを牽引しており、谷根千で親しまれている根津では、根津駅周辺地区まちづくり協議会による地区計画(案)がつくられました。
 そこでお伺いしますが、都市計画法に基づく手法で街が発展していく事に対し、必要な手段である反面、多くの賛同を得て周辺住環境との調整などを行うことは容易ではなく、本区の経験とその判断が更にその時間に影響することと思います。この手続きについて、区はどのように対応して行くのか、併せて、今後のこれらの手法を用いて行う方向性で相談があるエリアをお聞かせ下さい。
 また、春日後楽園駅周辺再開発事業の工事が進むにつれ、道路を管理する区は、人の流れや安全性を検討されている事と思います。隣接する区有構築物としては春日ポケットパークがあります。区民センター側の真砂坂下りでは、自転車対応でポールの設置を実施して頂きましたが、癒しや安らぎをコンセプトで設置された役割を果たしつつあるポケットパークを撤去又は改良し、良好な歩行空間を確保される事を望みます、今後の対応をお伺いします。

 次に工事の入札についてお伺いします。
 一般競争入札及び指名競争入札において、健全性をはかり最低制限価格制度や総合評価落札方式を導入して頂いています。民間事業者においては、その経営努力により適切な施工をしていただいて来ましたが、昨年8月には、国土交通省から「下請契約及び下請代金支払の適正化並びに施工管理の徹底等について」の通知があり、更に事業者の健全化が求められています。
 そこで民間事業者においては、綿密な計画の上に企画して頂く為に、本区の工事単価を開示し、より施工計画をブラッシュアップして頂くことが、通知へ対応する一助となると考えますが、お考えをお伺いします。

 次に国有地のエリアマネージメントについてお伺いします。
 2010年の代表質問で、少子超高齢化に向けた国有地・都有地の活用を質疑させて頂き、障害者施設・保育施設や高齢者施設へ定借又は購入し活用頂け、区民サービスが向上していること嬉しく思います。
 その一方で、国や都が示す物件も限られてきており、今後はこれらの公有地を活用した場所を点ではなく、面でとらえ、シビックセンターの様に集約施設を、国や都と区の考えを合わせた手法、エリアマネージメントが有効になる地域もあります。
 本区に於いては、後楽にあった東京労働基準局や労災保険会館など5事業所が入った施設が閉鎖され長い年月が経ちます。この間に、近隣のサテライトホテルや岩波書店倉庫がマンションになり、小石川税務署の国税局寮も閉鎖されています。
 保育量の確保から区民の運動施設 小石川グランド内に保育園を誘致しますが、このエリアマネージメントが進んでいれば、後楽幼稚園の拡大によって小石川グランドは子供の遊び場の確保や清掃車の路駐待機による周辺苦情などにも対応できたとも思います。とはいえ、国や都が絡む事で時間がかかる事は予想したものの、平成30年度予算要求において、財務省から特定国有財産整備事業として計上され、国土交通省で整備するとされました。この間のこのエリアへの取り組みと今後の方向性にいてお伺いします。

 次に民泊についてお伺いします。
 2015年の決算委員会総括質問で民泊について米国発のairbnb を紹介し、我が国の各種のオンライン事業を手掛ける旅行予約サイトにおいては実施されていない現状と旅館業法違反から保健衛生部の対応をお聞きしました。
 その後も、区民からクレーム等が寄せられる一方でネット上では、中国事業者もサイトをオープンし、営業許可のある有力な旅館やホテルも合わせて掲載し、一見民泊ではないサイトを装っています。この後を絶たない状況の中で、国において6月16日に公布された「住宅宿泊事業法」は来年6月には施行されます。
 住環境悪化と地域活性化の両輪を持つこの法について、本区の宿泊期限の規定を条例で指定できるとされており、他区では「民泊問題対応検討会議」などが設置され十分な議論もされているとお聞きしますし、台東区では分譲マンション管理組合に対してマンション管理規約の改正を促すお知らせを先日公表しました。
 この間の対応経験を持つ本区は、独自のルールが設けることができる、この「条例指定」をどこが担当し、対応し、区民の住環境や宿泊業界を守っていくのかお伺いします。併せて、施行までに残された時間はあまりありませんが、どのような体制で臨むのかお伺いします。

 最後に学校教育についてお聞きします。
 国連の持続可能な開発目標SDGsを成し遂げる為には長い年月がかかるかもしれませんが、包摂型社会へ向かって行動を起こしていく必要を誰もが感じています。そして、次世代を担う子供達にしっかり受け継いでいただく事を願っています。
 子供達を取り巻く環境の中で、貧困連鎖を解消する為に、絶対的貧困や相対的貧困の実態を得る努力を行って頂いており、絡み合った課題を丁寧に解きほぐしつつ、一つひとつの支援策を教育委員会が一日も早く築けることを期待しています。
 一方で、本区にある学芸大学附属竹早中学校では「貧困の連鎖解消に関する実践研究」を開始し、貧困連鎖解消に寄与する具体的授業に取り組むと共に、学芸大学を通して、小金井市、足立区、品川区で経済的に困難な家庭状況にある児童や生徒への教育支援活動を行い、竹早中学校への進学の道を開きました。本区では教員研修等で連携してきた学芸大学附属竹早小中学校と共に貧困の連鎖解消に向けて、協力頂ける体制と区内の国私立の学校に支援をお願いし、魅力を生かした先駆的な取り組みを構築すべきと考えますが教育長のお考えをお伺いします。

 2020年からの学習指導要項では、小学校でプログラミング教育が必須となっていきます。これは単にITと捉えるのではなく、「ITの理解・利用・活用」に中で、「利用」しかでききていない現況を打破することされております。
 本区のIT化、文京区議会のIT化が更に理解と活用部門へ移行される事を願って質問を終わります。


2017年(平成29年)9月定例会

          白石英行代表質問 答弁編

■赤字が質問要旨
■黒字が区の答弁


政策立案過程での本区基本条例の成果と課題について
私はこれまで、「協働・協治」を基本理念とする自治基本条例に基づき、平成21年に「区民参画の手続に関する指針」を策定し、施策の展開にあたっては様々な区民参画の手法を取り入れ、開かれた区政運営を推進してまいりました。
その積み重ねが、区政に対する区民の関心の高さにつながっているものと考えております。
一方、27年に実施した「第23回文京区政に関する世論調査」では、地域貢献活動を行う団体等に参加しているとの回答が46%でした。特に、男女ともに20歳代の参加が少ないという結果が出ており、幅広い世代から、より多くの方にご参加いただけるよう、取り組んでいく必要があると認識しております。
サービスの受け手であり生活者の視点を持つ区民の方から、様々な観点での貴重なご意見をいただくことは、厚みのある施策を立案し、実施する上で欠かせないものと考えております。
今後とも、全ての世代の方々に豊かな暮らしを実感していただけるよう、区民参画を推進しながら、多様な施策に取り組んでまいります。
また、今般「子ども宅食プロジェクト」において、多様な主体がイコールパートナーシップのもとコンソーシアムを構成し、コレクティブ・インパクトという手法により課題解決にあたっておりますが、このことは「協働・協治」の先進事例となるものと自負しております。


都と区の関係における地方主権の推進について
議員ご指摘のとおり、区が積極的に議論してきた事務事業移管項目については、「都区のあり方検討委員会」において、都区の事務配分の検討を行い、平成23年、444項目のうち53項目が、「区に移管する方向で検討する事務」として整理されました。
しかし、その後、ここでの議論は中断し、いまだ結論は出ておりません。
こうした状況も踏まえ、必要に応じた制度の見直しや、財源措置の拡充について、引き続き、特別区で連携しながら都に要望してまいります。
また、その際には、単独で事務移管を受けることが大前提ですが、権限移譲の受皿となる、組合などの仕組みが有効と判断される場合には、その活用についても検討いたします。
なお、児童相談行政については、現在、3区のモデル的確認実施区が先行して確認・調整を行いながら、特別区として都と協議を進めているところです。


財政確保にける(仮称)森林環境税のあり方について
現在、国の有識者会議「森林吸収源対策税制に関する検討会」において、森林環境税の創設に向けた、具体的な仕組み等の検討がされているところです。会議の中では、住民税均等割の枠組みを活用して徴収する案が提示されております。
森林の持つ多面的な機能を高めるための適切な整備・保全の必要性は理解しておりますが、国の責任で行うべき地方間の財政調整を、住民税への安易な上乗せにより、実質的に地方に転嫁することのないよう、充分な議論と、国民や自治体への丁寧な説明について、区長会等を通じ、引き続き国へ要望してまいります。


人口増による地域団体への団体補助金への転換について
補助対象事業及び経費等を明確にするため、「行財政改革推進計画」に基づき、平成13年度から15年度までの間に、全ての補助金を事業補助金へと、支援の方法を変更いたしました。
補助金は、事業の目的や内容が時代に即したものであり、財政的な支援をすることが必要な場合に、交付すべきものと考えております。
各種補助金については、時代の変化を踏まえた必要性、民間との役割分担、補助率の妥当性を十分に検証した上で予算化をしております。


地域と連携した文化プログラムの展開について
東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会に向けた気運醸成の一環として、文化プログラムの重要性を認識しているところです。
また、本区は、博物館・美術館・庭園などの文京ミューズネット施設や、湯島天満宮、根津神社などの由緒ある寺社、更には19の大学といった、様々な文化資源に恵まれております。
こうしたことから、本年度は、区内にある宝生能楽堂と連携し、ARメガネを用いた鑑賞会を実施する事業や、全日本かるた協会及び大学と連携した、競技かるた体験イベントのほか、文化・観光・国際交流の多方面からの事業を企画しております。
今後とも、文京ミューズネット施設を始めとした文化拠点のほか、町会・自治会等の地域活動団体とも連携し、文化プログラムを実施することで、本区の魅力を更に高めてまいります。


区の非常勤職員の労働災害状況について
発生件数が多い要因として、本区では区立保育園や児童館の多くを直営で運営しており、多数の非常勤職員を配置しているため、それらの現場において、子どもの指導や作業中に不測の事態が生じやすいことが考えられます。
安全管理については、労働災害の発生事例を共有するとともに、日頃から現場の管理者に対して注意喚起を促しておりますが、今後とも、より一層の安全管理教育を徹底し、職場環境の改善に努めてまいります。


区の今後の適正な職員数配置について
引き続き、職員数の適正化に努めてまいりますが、事務事業の徹底した見直しによっても対応が難しい、新たな業務が生じた場合には、その事務量や運営方法等を十分に精査した上で、必要な人員配置について検討してまいります。
また、区民ニーズへの的確な対応にあたっては、より柔軟できめ細かなサービスの提供が求められるため、民間活力の更なる活用を進め、品質の高いサービスを提供してまいります。
非常勤職員は、正規職員とともに円滑な区政運営を担っており、人員配置については、正規職員との役割分担、委託化の状況及び、平成32年4月に導入される「会計年度任用職員制度」を踏まえ、適正に対応してまいります。
なお、非常勤職員の給与費総額が増加傾向にあることは認識しているところです。


区の職員の働き方改革の推進について
新たな働き方を実現するためには、限られた時間の中で、より効率的に事務を進めることが求められ、日常業務の見直しや標準化等を組織として進めていくことが必要とされます。
そのため、会議におけるグランドルールの設定や、庁内共有データの整理のほか、民間企業との協働によりスケジュール管理を進めてまいります。また、これらの取り組みの進捗状況を踏まえて、その他の事務についても見直しを行ってまいります。
このような取り組みを全庁で共有し、実行し、改善するといったプロセスを繰り返すことで、限られた時間の中で一人ひとりの職員が働きやすく、能力を最大限に発揮できる職場環境をつくってまいります。
また、職場の実態に合わせた取り組みが継続的に行われるよう、各職場において、これらの活動の中心となる「見直しリーダー」を任命し、職員からのボトムアップにより、取り組みを進めることにしております。
新たな働き方に取り組むことで、組織全体の意識を改革し、さらに、従来から取り組んでいるワーク・ライフ・バランスの実現へと、つなげてまいります。
なお、フレックスタイム等の柔軟な勤務体制については、職員の勤務状況や、他自治体の実施状況等を踏まえる必要があると考えており、導入自治体の事例を参考としながら、実施の方向性を探ってまいります。


情報管理システムと情報政策課について
この間、介護保険料の賦課徴収において、システムの誤りにより、区民の皆様にご迷惑をお掛けする事態となったことを、お詫び申し上げます。再発防止に万全の対応を取るよう指示したところです。
各所管課が管理するシステムについては、導入・更新・改修の際、情報政策課において指導・助言を行うとともに、利用計画の適正性を評価しております。また、日々の運用面においても適切に支援を行っているところです。
なお、情報政策課が直接関与していないシステムは、小規模なものを含めると、39課で111となります。


情報管理に関する国際認証取得すべき
ISO27001(アイ・エス・オー 2万7千1)については、情報セキュリティ管理に関して一定のレベルが維持されているという信頼度を対外的に与えることができるものの、認証を継続していくための体制整備や、費用対効果等の課題があるため、他自治体の動向を注視し、今後研究を進めてまいります。
なお、本区では、情報セキュリティの抜本的対策として、住民情報システム利用時の二要素認証、インターネット接続環境とLGWAN接続環境の分離、メールの無害化、自治体情報セキュリティクラウドへの接続など、情報セキュリティの強化を図っております。


地域連携のあり方について
交流自治体との更なる連携や住民交流の推進には、交流自治体と文京区双方の住民への積極的な広報PR活動が重要と考えております。
本区では、これまで区報やホームページ、CATV、区民ひろばのマルチビジョンを活用するとともに、花の五大まつりや、各種文化事業など、様々な機会を捉え、交流自治体の紹介を行ってまいりました。
今後も引き続き、関係自治体との緊密な連携協力のもと、各種広報媒体の有効活用と工夫を図りながら、交流自治体の魅力紹介に取り組んでまいります。
また、交流自治体に対しても、更なる文京区の紹介をお願いしてまいります。
「交流都市紹介状・パスポート」の発行については、ご趣旨を踏まえ、受入側となる交流自治体の情報を適宜、区報やホームページ等で積極的に紹介することで対応してまいります。


「共同体に帰属している」という評価に対しての認識は
共同体への帰属意識を育むためには、伝統文化や行事に触れる中で地域への愛着を抱くことはもとより、住民主体の取り組みに積極的に参加しやすい環境や、人々が出会い、それをきっかけに様々な活動につながる土壌が大切と考えております。
町会・自治会を含めた既存の地域活動団体、NPO、企業等の多様な主体との幅広い連携や協働の推進に加え、新たな担い手の創出への支援等を通じて、「歴史と文化と緑に育まれた、みんなが主役のまち『文の京』」の実現に向けて、全力で取り組んでまいります。


東京大学医学部附属病院分院跡地の公共性は
東大分院跡地に整備される東京大学目白台国際宿舎では、周辺と調和した土地利用や、地域の住環境向上に貢献する機能について、東京大学と協議を行っております。
具体的には、周辺環境に合わせた建物の高さ設定を行うほか、地域住民も利用可能な食堂等の店舗を配置すると聞いております。


東京音楽大学付属高等学校の今後の活用は
また、関口三丁目の東京音楽大学付属高等学校については、平成31年4月に移転する計画があると聞いております。
今後、跡地利用の具体的な内容が明らかになった際には、公共性への配慮を含め、協議を行ってまいります。
持続可能なまちづくりの観点からも、こうした比較的大規模な跡地の活用については、区としても注視してまいります。


地域産業に関する情報発信力の評価と強化について
これまで、国及び都の医工連携事業や、他自治体との異業種交流会、民間事業者主催のプラットホーム等で、「メディカルHongoプロジェクト」の魅力を発信してまいりました。
こうした情報発信により、連携事業に加わる自治体が増え、区内医療機器産業と、ものづくり企業との提携が促進できたと考えております。
今後も様々なツールを活用して、積極的な情報の発信に取り組んでまいります。
また、本区には多くの大学や先進分野で活躍するベンチャー企業があります。区としても、大学の研究成果を活用した起業を支援するため、大学発ベンチャー企業の新製品・新技術の開発に要する経費を補助し、区内産業の発展や新産業の創出を図っております。


再開発事業と地区計画などの都市計画法の手続について
区では、「都市マスタープラン」に掲げる将来像の実現に向け、地域特性をいかした、安全で快適な魅力あふれるまちづくりを進めており、個別案件ごとに地元協議会等と協議を行いながら、熟度に応じて適時適切に都市計画法に基づく手続を進めております。
なお、ご相談をいただいているエリアについては、現在のところ、後楽二丁目地区や本郷七丁目周辺地区などです。


春日町交差点のポケットパークの改善について
4か所のポケットパークの設置にあたっては、歩行や滞留等への配慮をしており、そのための空間が確保されていると考えております。
しかしながら、ポケットパーク「鉄の広場」の付近では、隣接する地域での再開発事業により、通行者の人数や流れが大きく変化することが予想されるため、道路管理者である国と、撤去等を含めた改善策について、協議を進めてまいります。
その他、3か所のポケットパークについては、必要に応じて対応してまいります。


区の工事の入札に工事単価開示について
区が発注する工事における、請負業者と下請業者との契約関係については、法令等に基づき、両者の間で適正になされるべきものと認識しております。
また、適正な工期設定に努めることや、社会保険に関する必要経費の確保などについて、周知を図っているところです。
区では、公共工事の発注見込みを公表しているほか、予定価格の事後公表を行い、公正な入札を確保し、適正な契約制度の維持に努めているところであり、工事経費の積算根拠の公表については、慎重な対応が必要と認識しております。


国公有財産とエリアマネジメント事業について
国では、かねてより後楽一丁目において、国有財産の最適利用を図るエリアマネジメント事業を検討しておりました。区においても、国有地に近接する区立後楽幼稚園や、文京清掃事務所の老朽化等の課題解決が期待できることから、当該事業の早期実現に向け、国と協議を進めてまいりました。
本年7月には、国において新規事業採択時評価が実施され、事業化が妥当との判断がなされております。今後、平成30年度予算に、敷地調査や設計費等の経費を計上すべく準備を進め、36年度から合同庁舎の使用を開始する予定と聞いております。


民泊の規制について
今般公布された「住宅宿泊事業法」では、目的規定において、「国内外からの観光旅客の宿泊に対する需要に的確に対応して、これらの者の来訪及び滞在を促進し、もって国民生活の安定向上及び国民経済の発展に寄与する」としています。こうしたことから、都は、産業労働局観光部を住宅宿泊事業の主管としております。
本区においても、当該事業の実施を制限する条例制定の必要性の検討も含めた主担当を、観光振興を所管するアカデミー推進部とする予定です。
また、民泊について区民から寄せられる相談や住環境等の不安の声に対しては、引き続き、庁内の関係部署で情報共有を図るとともに、それぞれの所管で適切に対応してまいります。
来年6月の法施行まで期間が限られておりますが、今後、政省令等が公布された際には、地域の関係機関等を構成員とする会議体の設置などを考えております。


貧困の連鎖解消に向け、区内国私立大学との連携について
教育委員会では、子どもの貧困対策に資する学習支援事業として、地域未来塾事業を実施し、学生ボランティアの活用など連携し学習サポート事業の充実を図っています。
30年度からは、新たに中学2.3年生への学習塾授業料等の校外教育活動にかかる費用を助成する事業を実施する予定ですが、学習支援事業の充実についてご指摘の区内国私立大学との連携も視野に入れながら研究して参ります。