2019年(令和元年) 9月定例会 代表質問 白石英行 全文

2019年(令和元年) 9月定例会

自民党の白石英行です。始めに九州北部豪雨そして本区も襲われた観測史上最大の台風15号、これらの災害被害に遭われた方々のお見舞いと一日も早い復旧をお祈り申し上げて質問に入らせて頂きます。

本定例会では政策理念を共にした会派から3名が代表して様々な質問をさせて頂きます。
私にとっては、6期目の改選後の初めての質問を文京区の変遷を鑑みながら、これからの文京区を区民の皆さんと築きあげていく為に大きく9項目についてお伺いしますので区長、教育長のお考えを詳しくお聞かせ頂きたくよろしくお願いします。

はじめに区長の4期目の選挙公約とされたSDGsとソサエティー5.0の取り組みをお伺い致します。
今までもこれらは区議会でも議論されてきましたが、政府の大きな柱としてSDGs は、2001年に策定されたミレニアム開発目標(MDGs)の後継として、2015年9月の国連サミットで採択された「持続可能な開発のための2030アジェンダ」にて記載され、2016年から2030年までの国際目標を持続可能な世界を実現するための17のゴールと169のターゲットで構成され、地球上の誰一人として取り残さないことを掲げました。
私は2016年に外務省が開催する国際女性会議WAW!(ワウ!)に参加した際に、このことが全ての政策に生かされる為の議論がされており、その実効性に期待を持った事を思い出します。
政府は2016年12月に、全国務大臣を構成員とするSDGs推進本部を設置しSDGs実施指針が決定され、2018年にはアクションプラン2018が示され、現在では、本年6月に大阪で実施したG20議長国としてのリーダシップを発揮しつつ、一人ひとりの保護と能力強化に焦点を当てた「人間の安全保障」 の理念に基づき、SDGsの力強い担い手たる日本の姿を国際社会に示すため、国内実施・国際協力の両面において、
3本柱
1.SDGsと連動する「Society 5.0」の推進
2.SDGsを原動力とした地方創生, 強靱かつ環境に優しい魅力的なまちづくり
3.SDGsの担い手として 次世代・女性のエンパワーメント
を中核とする「日本のSDGsモデル」を国際社会に共有・展開しており、本年9月 SDGサミットの成果を踏まえ、12月に各種取組を統合・発展させる形で『SDGs実施指針』を改訂される予定で、我が自民党が推し進めてきたものを区長が公約にされた事は評価できるものです。
SDGsのSD、Sustainable Development(持続可能な開発)とは、「将来の世代のニーズを満たしつつ、現在の世代のニーズも満足させるような開発」を指しており、開発方針を認めつつ、持続可能な財源運営・知識の保持・技術開発でなければいけないとされています。
これを行っていくには、一つの立場から見通しを立てるだけでなく多面的な仕組みが必要になってきます。
文京区で言えば議会で議論されてきた、「縦割り行政に横串をいれた連携政策」ということだけでなく、「普遍性」「包摂性」「参画型」「統合性」「透明性と説明責任」が明確にされつつ、本区の魅力を磨いていかなければなりません。
そこでまずお聞きしますが、
現在に至るまでのSDGs実施指針に対し本区が取り組んできた主のものは、また区民との協働で取り組んできたものは何でしょうか?
そしてゴール年までの10年間の目標に対し、どのように構築し、実効性のある施策を展開するために、それぞれの概念をそれぞれの課がどのように連携し計画するのか?
ステークホルダーとの構築はどのようにするのか含めてお答え下さい。
また子供達にどのように伝え、次世代へ継承していくのかも重ねてお伺いします。

また、情報発信の手段として外務省が行っているジャパンSDGsアワードが有り、受章団体には地方自治体・学校・事業者などがあり、様々なチャレンジがなされており、新たなイノベーションへの創造には日本経済団体連合会は、2017年企業行動憲章改定で既に「Society 5.0の実現を通じたSDGsの達成」を加え取り組んでいます。
地方自治体の取り組みでは、政府は環境未来都市・環境モデル都市の選定をしており、都内では千代田区が選定されて、SDGs未来都市には日野市が地域のステークホルダーと連携したことで選ばれております。
本区も潜在能力を生かし2019年度 SDGs未来都市30選定と自治体SDGs事業10選定に向けて、いままでの取り組みを更に深化させ区民のみならず全国に発信するチャンスを得て欲しいと思いますがお考えをお伺い致します。

次にソサエティー5.0についてお伺いします。
情報社会(Society 4.0)では知識や情報が共有されず、分野横断的な連携が不十分であるという問題がありましたが、ソサエティー5.0ではフィジカル空間(現実空間)からの膨大な情報がサイバー空間(クラウド空間)に集積され、このビックデータを人工知能(AI)が解析し、その解析結果がフィジカル空間の人間に様々な形でフィードバックされ今まで人間が情報を解析することで価値が生まれてきたことが、もはや、膨大なビッグデータをAIが解析し新たな価値が産業や社会システムを迅速に行う事ができる時代に入りました。
今までにも庁内業務等にAI活用やRPA化の推進について提案をさせて頂きましたが、今後の取り組みついてお伺いします。

また、合わせて小学校でプログラミング教育が始まる今日、環境整備は待ったなしです。
本区として、高度な環境整備を望みますが、その対応についてお伺いします。

東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会に向けて、5G通信の整備が進められています。
光ファイバー通信網よりも早い移動体通信が確保され、画期的な転換時期が訪れてきます。
これを中長期的にみるのではなく、区民の利便性を向上させて行くために短期戦略を構築することが必要です。
私達の身の周りで顕著なものに、キャッシュレス化が有り、あっという間に進み出したことがスピード感を持って対応しなければならない良い事例だと思います。
このキャッシュレス化が進む理由は、区民のニーズがい証明であり、早期対応が必要で、練馬・渋谷区では住民税のスマホ決済をLINEペイで始めたとのことです。
一方で、区役所のワンストップサービスは長年の課題でしたが、これからは区役所へ来なくても、対応できる環境を整備する時代になる先進自治体を本区は目指すべきと考えます。
今現在、窓口支払いで現金払いしている例えば戸籍業務や施設予約における銀行引き落としなどをマルチペイメントやスマホ決済、非接触式ICチップによるコンタクトレス決済に進める検討状況は如何でしょうか?
また、経済課が支援している商店街での連動は如何でしょうか?お伺い致します。

また、情報発信のあり方(区の施策のみならず、観光として情報発信など)を点検し適切に対応すべきと考えますが、CATV事業費1億2千万円を含め、今後の対応についてお伺い致します。

次に(仮称)文の京総合戦略についてお伺いします。
6月議会において示された次期行政計画(「仮称)文の京総合戦略」の理念と将来都市像は、2001年前区長が区民と議会共に議論を重ねて作りあげたもので、ソーシャルインクルージョン(社会的包容力)やアウトリーチ地域性を合わせ持っている先進的な理念であり、その理念を引き継ぐ事は評価致します。
その後、成澤区長においては2017年第3期の基本構想実施計画が区民協議会で分野別の協議が行われ2019年までの計画として策定され、今日、実現度評価で94.7%の順調な進展をした事は、理念にある主役である区民の力と職員の皆さんのご尽力と敬意を払うところです。
そして今回の行政計画は、財政的な裏付けを伴う最上位計画として、4年間の計画として策定されます。
一方で東京都では2014年?2024年の長期ビジョンを持ち、総合戦略2015年?2020年で東京と地方のあり方を示し、本年8月には中長期的な財政見通しから計画的戦略的な運営を示す戦略ビジョンを策定するとしていますが、本区の長期ビジョンはどのようになるのか?今まで策定された各計画との整合性についても合わせてお答え下さい。
また先に述べたSDGsの考え方は各部各課を超えたものであり、その施策をどのように取り入れていくのかも合わせてお答え下さい。
そして、加藤教育長が学務課長を務められた時に作成された、「文京区教育振興基本計画」が本行政計画との整合性を図る為、計画期限平成30年以降更新されていませんが、「文の京」の教育環境の為に構築すべきものと思いますがお考えをお伺い致します。

一方政府では、2017年統計改革を行い、「E B P M = Evidence-Based Policy Making = 証拠に基づく政策立案」の推進をしており、本区にとっては証拠やデータに基づき政策を議論・立案することは当たりまえであり、何ら新しいことではないことではないようにとれますが、必要なデータの確保やPDCAサイクルを米国並みに頻繁に行える手法としては、区民のニーズに的確に応えるものと考えます。
そこで、EBPMを取り入れ、ロジックモデルを使って目標・指標を再構築は行わないのか?お伺いします。

また、葛飾区の新基本構想と基本計画では、多様な意見を取り入れる為に策定委員会を設置し分科会を設け実施しています。
本区の自治基本条例に定めた区民参画のあり方については、どのようなワークショップで意見集約を行うのか?
また、議会の参加は委員会のみで十分とお考えなのか基本構想を策定時の議長を務めた区長のお考えをお伺い致します。

次に職員育成計画についてお伺いします。
文京区の人口規模や財政状況が最も低かった平成10年以降、景気動向も鈍った為、職員数の議論を重ねてきました。
職員数を減少させる中、人口の大小に関わらず一自治体として行っていく業務は同じで有り、多くの困難の中、「区民の立場から見て、職員はどうあるべきか」地方公務員法に則り、企業倫理と公務員の倫理の違いを踏まえながら研修指導が行われ、「チーム文京」として一丸となって職務に当たって頂いた事を高く評価したいと思います。
またその一方で、定員「適正化」やアウトソーシングが行われ、非常勤職員数の増加や管理指定者制度などの物件費の増が進みました。
私は、人口が増え続けたこの20年間で、本区を発展させる恒常的で専門性職員数とのバランスを考え、必要な職員数は確保すべきと求めてきました。
2020年4月からは非正規職員の任用根拠「適正化」と会計年度任用職員の新設、期末手当支給など処遇改善関係が自治法改正により行われ、国は生産人口が減少する中、少子高齢社会の対応など国民ニーズに対応すべくとしています。
その反面本区の人口は、向こう20年間人口が微増していく予測であり、本区を担い発揮すべき施策に、必要な人材を確保する事を改めて求めますが、今後の職員数のあり方についてお考えをお伺いします。

また、2016年の地方公務員法の改正を受けて、人事評価と処遇の対応が義務付けるなど職員環境も変わりつつあり、より行政サービスを安定的、持続的、効率的かつ効果的に提供する力が求められております。
一方で内部統制制度により、業務の効率化や業務目的のより効果的な達成等によって、安心して働きやすい魅力的な職場環境の実現が期待されていますが、本区の研修の取り組みとして成果が出ていない課題をお示し下さい。

そして、区の政策は都や国の補助金制度を活用して有効的に実施されておりますが、残念な事に、他区においては都の補助金返還や国補助金が受けられない事例が報道されていた矢先に今般、本区においても国と都の高額な補助金を返還し区の一般財源で業務委託者に支払う事例があった事は大変遺憾な事であり、私が議員になって知る限り初めての事です。
この件について、この間調査が行われてきましたが、原因の究明に至ったのか?
ヒューマンエラーとして捉えるだけでなく、管理者責任を問い、承認システム上の課題は何だったのか、情報システムでの改善点はあるのか、あるならばいつまでに対応するのか?
再発防止として全庁的な対応はどのようにしていくのか?
お伺いしチーム文京に信頼を取り戻して頂きたいと思います。

次に国内自治体交流についてお伺いします。
特別区長会において2014 年、各地域との新たな連携を模索し、経済の活性化、まちの元気につながるような取組を行うとして「特別区全国連携プロジェクト」が立ち上り、東京都は2015年、東京と地方が共に栄え、真の地方創生の実現を目指して「東京都戦略ビジョン」で地方との協力体制を構築し、特別区が抱える課題解決に向け動き出しました。
始めに自治体協定について伺いますが、本区は先日金沢市と友好都市協定を結び、12自治体と災害、文化、地域活性などの相互協力による協定又は覚書が結ばれ、その内過去4年間で結んだのが7自治体となります。
今後も、大河ドラマによる金栗四三や春日局を通じた交流が行われることは大変有意義で楽しみにしています。
その一方で災害時対応以外に「友好関係にある自治体と物産展での出店や相互訪問、文化交流等を実施するほか、相互PRを行うことで、個人や団体で行き来できる機会を増やし、区民の交流を深める」とされた目的達成においては、平成28年より「文京区国内交流・連携事業補助金」が創設され、報告書が提出されていますがどのように評価され、31年度の状況は如何でしょうか?
また、区主導で交流が継続している地域との今後の関係構築はどのようになっていくのでしょうか?
そして今後の協定等に至るまで、区民の代表である議会が交流を深め、区民参画が進むよう議決案件にするなど改善するべきと考えますがお伺いを致します。

次に特殊合計出生率についてお伺いします。
先に述べたように、本区が果たすべき真の創生には都の戦略ビジョンに掲げられている「少子高齢・人口減少社会に対するの挑戦」があります。
本区の人口予測は昨年質問した通り、2040年まで微増し25万人に達するとしても、日本人口が減少していくことは高齢者を支える体制や産業発展が困難になってしまうことことが危惧され、我が区は人口回帰で待機児童対策が急務となりましたが子ども施策の充実を図り少子化対策として、特殊合計出生率を高める事が急務です。
平成27年〜30年の数値を比べてみると全国平均で1.45→1.44→1.43→1.42であるのに対し、本区では1.17→1.25→1.20→1.24と変動をしている事を鑑み、より安心して育てる環境、主役である子どもの環境整備の構築を望みますが、その対応をお伺い致します。

次に8050問題の取り組みついてお伺いします。
政府は今年3月、40〜64歳の引きこもりの数が推計で61・3万人と発表しました。
今までの引きこもりは若年層の39歳までの調査でありましたが、近年の残念な死体遺棄事件や自殺、親子で死亡した事などから改めて調査されたこの「全国規模の引きこもり中高年」の数から「8050問題」は深刻な社会問題であることが認識されました。
社会から孤立してきた引きこもりは障害者認定でなく、中高年世代の公的な支援が薄く、この課題を身近な自治体として解決していかなければなりません。
本区では、教育センター所管の不登校対応、児童青少年課所管の39歳までのステップと区民に寄り添ってきた経験を生かした連動する対応が期待されます。
本件について、福祉部が対応するとされていますが、福祉部が構築してきた地域包括ケアシステムのみならず、各課が得た情報に対し庁内一丸となって判断し対応する必要が求められています。
今後の情報収集、相談窓口、個別対応などのシステム構築についてお伺いします。

次にシビック周辺の整備についてお伺いします。
2年前にご提案した春日の交差点における鉄の広場は、春日後楽園地区再開発事業と合間って撤去して頂き、人口が増えている本区の交差点空間がより安全性高くなりました。
その一方で撤去した歩道はアスファルトのままで、区の中心地として如何かなものかと疑問が残っています。
シッビク周辺はシビック利用者を含め地下鉄が交差することから多くの方々が利用されるところであり、春日後楽園駅前地区再開発が終了すれば昼夜それぞれ6000人の方々が利用することとなります。
そこで何点かお伺いしますが、まずシビックの正面玄関のビーグル停車場と歩道との関係を改善しなければ、自転車、歩行者、ベビーカー、車いすと福祉要素の高いビーグルをお待ちの方々と安全に通行できる状態ではないと思いますが早急の対応をすべきです。
また礫川公園については、改選前の代表質問においては、魅力ある公園機能でこどもの遊び場を取り戻す工夫をする必要を求めました。
今年の猛暑で傾斜のツツジが枯れてた為、文京区の紋章とシンボルマークが整備される事となりましたが、1年前に頂いた礫川公園に対する整備の答弁には「今後も引き続き、子どもの遊び場として、効果的な活用方法を検討することで、戸外活動を通じた児童の心身の健全な育成を支援してまいります」とあるものの、この事には触れられない設計であり、再検討して頂いた経緯があります。
礫川町会連合会においても、子供達の健やかな遊び場を構築する為に、喫煙場の撤去要望があるほど、地域の方々は礫川公園のありかたを見ています。
また、春日後楽園駅前 地区再開発で仮に100人規模の保育園が整備されれば幼年世代の利用も増え、その一方で児童の遊ぶ環境も必要になることは、小学校が終わってからの育成室ニーズが高いことが現れで、どんな子供達にもいつでも安心して遊べる公園の必要性が高まっており、区内全体の公園再整備計画に至った一因であると思います。
改めて、9328平米を持つ礫川公園の魅力ある公園機能でこどもの遊び場を取り戻す工夫をする必要を求めたいと思います。
ボルダリングなど高低差を活用し東京2020大会に向けてスポーツ振興などの有効活用も連携政策で検討し、幼児も児童も大人も集う公園になるよう、近隣町会の提案を取り入れ実施することを期待しますが、お考えをお伺いします。
また紋章やシンボルを掲示する事はオリパラやインバウンドに対応する為、大切な広報と考えますので、シビックセンターの柱に掲げられた区ゆかりの花の掲示をリニューアルするなど、多くの人にふれる対応をして頂きたいと思いますが、お考えをお伺いします。

最後に教育環境における体験についてお伺いします。 
ことわざに「かわいい子には旅をさせよ」という教えがあります。
時代は、車などがなかったころの言葉ですが、ボーイスカウト活動をしている私にとっては、お預かりしている子供達の成長を見ているとそれぞれの年代にあったニーズを提供することで、著しい成長をしていく姿を見て共感を得るものです。
子供達の成長には、様々な体験から得る「遊び」が学びの原点であり、体験の学習を通じて「知りたい」から「学びたい」、「知った」から「考えたい」という力を自らの力を育む事が重要で、各学校がこの10年間で様々な教育プログラムを導入され成果を上げていることは高く評価したいと思います。
そこでESD(持続可能な開発のための教育)は、日本の学校で長年に渡り実施されてきたとの報告もあり、本区が「古くて新しい」とされる教育指針を保持しつつ、遊びが学びの原点となる公教育を構築してきたことを頼もしく思っています。
そこで保護者の働き方が変わり、家族の関わりが変化しきたこの数十年を知っている本区だからこそ、「古くて新しい」体験の継続性又は時代変化をネガティブに捉えるのではなく新たな形で挑戦していく時期にきていると思いますが、本区のESDにおける体験学習の考え方についてお伺いして、質問を終わります。



2018年(平成30年)9月定例会

          白石英行代表質問 答弁編

■赤字が質問要旨
■黒字が区の答弁


2016年SDGs実施指針の取組実績から部署連携による取組体制の構築、情報発信力の強化、こども達への継承体制を行うべき
国のSDGs実施指針では、特に注力すべき優先課題として、「健康・長寿の達成」「地域活性化」「循環型社会」など8つの項目が掲げられております。
これらの項目については、本区においても、区民福祉の向上を目的として、多くの施策を実施してまいりました。
また、区民やNPO等との協働による施策については、「新たな公共プロジェクト」や「子ども宅食プロジェクト」など、様々な分野で実施しております。
今後も、SDGsのゴールが相互に関連していることを踏まえ、現在策定を進めている「(仮称)文の京総合戦略」においては、各施策を推進するための基本となる考え方にSDGsの視点を当てはめることで、持続可能で豊かな地域社会の構築に向け、区民、NPO、事業者等の様々な担い手との連携を図りながら施策を推進してまいります。
その際は、「SDGs未来都市」等に選定された自治体の取り組みも参考にしながら、様々な行政課題の解決に取り組んでまいります。
また、次代を担う子どもたちに対しては、学校教育を通じて、一人ひとりが、地域の将来などを自らの課題として捉えるとともに、課題解決に向けて自分たちができることを考え、多様な人々との関わりの中で実践できる力を育むことが必要と考えております。


Society5.0の技術活用した事業検証から本格実施への予算を組むべき
昨年度、6業務で行ったRPAの実証実験により、職員の判断を要さない、定型的かつ大量の処理がある業務では、事務の効率化に効果があるという検証結果が得られました。
このことを踏まえ、現在、電子申請のデータ処理や、庶務事務システムの入力自動化など、13業務で導入を進めており、今後、さらに対象となる業務を拡充してまいります。
また、本年度、AIが自動応答する「ごみ分別案内サービス」を開始いたしました。
今後、申請書記入等を電子化するAI−OCRや会議議事録を作成するAIなどの導入を検討しております。
引き続き、ICT技術革新に注視し、区民サービスの向上及び職員の働き方改革と業務改革の視点から、RPAやAI等の導入を積極的に進めてまいります。


移動体通信の5G技術活用したキャッシュレス決済を導入すべき
戸籍や住民票、税などに関する証明書の発行手数料については、来庁者から、電子マネー等によるキャッシュレス決済を求める声をいただいているところです。
また、区では、文京区商店街連合会と連携し、セミナー等を通じ、区内商店街におけるキャッシュレス決済の普及促進に努めております。
このようなキャッシュレス化の動向を踏まえ、今後、区民の利便性向上や業務効率化の観点から、費用対効果等も含め総合的に判断し、導入に向けて検討を進めてまいります。


移動体通信5G社会の情報発信のあり方を再検討すべし
区の施策や区民生活、観光等に関する情報を効果的に発信していくことは、重要な課題であると認識しております。
CATVの「文京区民チャンネル」については、区報やホームページと連携・補完し合いながら、区政情報や地域コミュニティに関する情報を提供するとともに、災害発生時に区民向けの災害情報を発信する機能も有しております。
その一方で、区民の認知度や視聴者数等の面で課題があることも認識しておりますので、「文京区民チャンネル」のPRを促進するほか、意識調査等による区民等の意見も踏まえ、CATVによる情報発信のあり方について検討を進めてまいります。
また、近年では、スマートフォン等の情報機器や、SNS、アプリケーション等の普及・発展が著しいことから、これらをさらに活用して、より多くの区民や本区を訪れる方々のニーズに応じた利便性の高い情報発信を行っていく必要があると考えております。
今後とも、多様化する区民ニーズや、新技術の開発等による社会の変化を見極めながら、効果的な情報発信の手法や体制について、検討してまいります。


「(仮称)文の京総合戦略」で長期ビジョンを作成しないがSDGsゴールまでの10年を描くべき。また、各部が策定している個別計画との整合性を図るべき
「総合戦略」では、広く区民や区議会の参画により創り上げてきた、現行の基本構想の理念や将来都市像を、長期的な視点として継承してまいります。
加えて、人口構成の変化やライフスタイルの多様化、ICT技術の進展等、区を取り巻く社会状況の変化も捉え、戦略的な事業展開を検討してまいります。
また、各分野の個別計画との関連については、「総合戦略」の基本政策や主要課題等において、各計画との整合を図り、施策の実効性を確保してまいります。
なお、先程ご答弁申し上げたとおり、各施策を推進するための基本政策の考え方に、SDGsの視点を当てはめ、既存の分野や領域を超えた柔軟な発想により、各施策を推進してまいります。


E B P M (Evidence-Based Policy Making = 証拠に基づく政策立案)を導入し、PDCAサイクルが適時に行われるようにすべき
「総合戦略」において、優先課題を明らかにする際には、現状や問題を整理し、それらについて可能な限りデータで示すことで、課題の捉え方の妥当性を説明する必要があると考えております。
また、データに基づいた課題の解決については、解決手段となる事業の4年間の展開を明らかにしてまいります。
こうした計画策定の進め方は、ご指摘のEBPMの考え方にも添ったものと捉えております。


「(仮称)文の京総合戦略」策定における区民参画及び議会参画をしっかり行うべき
「総合戦略」策定段階の区民参画としては、ワークショップやウェブアンケート、基本構想推進区民協議会のほか、素案の段階ではパブリックコメントを実施し、区民の意見を伺ってまいります。
ワークショップでは、基本政策ごとに、区の課題を解決する取り組みについて、区民同士の対話から生まれるご意見やアイデアを伺うことを検討しております。
また、「総合戦略」は、基本構想の将来都市像と理念を継承することとし、実施計画を主とした体系の見直しと捉えているところから、各定例会における委員会でのご審議をお願いしたいと考えております。
なお、「総合戦略」は、毎年度の行政評価等により、計画期間中であっても、効果的・効率的な手段に組み替えていくことから、今後の計画の進行管理や予算等のご審議の中で、区議会からも幅広くご意見がいただけるものと考えております。


職員数適正配置を視野にいれ、必要な職員確保と配置を行うべき
引き続き、職員数の適正化に努めてまいりますが、事務事業の徹底した見直しによっても対応が難しい、新たな業務が生じた場合には、その事務量や運営方法等を十分に精査した上で、必要な人員配置について検討してまいります。
検討に際しては、ICTを活用した業務の効率化、児童相談所の開設、来年度から導入される会計年度任用職員制度等も踏まえ、今後とも多様化する区民ニーズや国等の制度改正に対応できるよう、職員数の適正化を図り、必要な人材の確保に努めてまいります。


職員研修の改善を行うべき
職員が安心して働きやすい職場環境を実現するために、職務遂行能力や課題解決能力、職務に対するモチベーションの向上、メンタルヘルス等は、重点的に取り組むべき課題として捉えております。
さらに、ICT技術への対応力の育成等も含め、今後も研修内容の充実を図ってまいります。


平成30年度委託料の未払いについて、管理責任者としての責務を問い、承認システムの改善を行うべき
まずは、不適切な事務執行により、区民の皆様にご迷惑をお掛けする事態となったことを、深くお詫び申し上げます。
本件について、関係職員から事情聴取の上、検証を行いました。
その結果、本件の原因は、事務担当職員間における職務分担の認識の錯誤及び節目節目における予算執行状況の確認の徹底がなされていなかったことにあると認識しているところです。
既に、当該職員には厳正なる処分を行い、庁内にも周知するとともに、業務におけるダブルチェック・トリプルチェックの実施や、財務会計システムの改修に取り掛かるなど、徹底した再発防止策を行っております。
今後、このようなことがないよう、業務において職員が一丸となり、区民の信頼を取り戻してまいります。


「国内交流・連携事業補助金」で区民交流が活性化されているのか
スポーツ団体を中心に、昨年度までに延べ17団体が、また、本年度は10団体が、本補助金を活用しており、住民相互の交流促進に大きく寄与できているものと認識しております。


協定等を締結せずに交流を継続している自治体について締結すべきでは
観光イベントへの出店や、区民向けバスツアー等の事業協力を行っている自治体についても、自治体相互の発展に貢献しているため、今後も事業協力を中心とした交流を進めてまいります。


国内協定締結が区民は置き去りになっていないか、議決案件にすべき
自治体との協定は、文化・観光分野等における地域社会の発展や、住民相互の交流等を将来にわたって約束するものであり、議会との連携を一層密にしながら進めてまいります。


合計特殊出生率を上げる為に、子ども達の環境整備を行うべき
本区における合計特殊出生率は増加傾向にあると捉えており、その背景には、子育て世代の転入による出生数の改善があると考えております。
本区が子育て世代に選ばれるまちとして、その期待に応えるためには、子どもを第一に考えた子育て支援施策を展開することが大切であり、引き続き、妊娠・出産・子育て期にわたる切れ目ない支援や、保育所及び放課後の居場所の充実等、関係機関が有機的に連携した総合的な支援体制を構築してまいります。
そのために、「(仮称)文の京総合戦略」と整合性を図りながら、「子育て支援計画」を策定し、安心して子どもが育つ環境を整えてまいります。


8050問題解消に向け、今までの経験から文京モデルを部署連携の構築すべき
中高年世代のひきこもりは、家庭に内在した状況で問題が長期化・複雑化するケースが多く、早期に相談につなげ、関係部署が連携して対応していく必要があると考えております。
現在、国や都の動向を踏まえ、福祉部が中心となり、青少年のひきこもり対応等の経験を活かすとともに、不登校の児童・生徒への対応も視野に入れながら、切れ目のない対応を図るべく、関係部署や社会福祉協議会、NPО等の支援団体と連携し、地域からの情報収集、相談、個別対応を速やかに行うことのできる支援体制の構築について、検討を進めております。


シビック周辺歩道確保の為、「Bーぐるの停留所」を改善すべき
現状として、シビックセンター側の植栽を削り、歩道を広げておりますが、これ以上植栽を削ることは構造上困難です。
そのため、バス停留所の利用者に対し、歩行者等の安全に配慮した並び方にご協力いただけるよう、停留所への掲示を実施しているところです。
今後、車内アナウンスの活用等、更なる周知に努め、バス利用者や歩行者等の安全の確保を図ってまいります。
また、関係機関等と協議を行いながら、停留所周辺の通行上の安全性改善について、検討してまいります。


礫川公園を整備して魅力ある公園に早期改善すべき
公園の再整備を行う際は、「公園再整備基本計画」に基づき、利用者や近隣の町会、保育園等の意見を伺いながら、公園内における緑や施設の整備方法を決定しております。
礫川公園については、公園の特徴を踏まえ、土地の高低差を活かした遊具の設置や健康遊具の更新など、全世代で賑わう魅力ある公園づくりを行ってまいります。


シビックセンターの柱を利用し、紋章等の掲示で情報発信すべき
東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会に向け、今後ますます多くの観光客等が訪れることが予想されることから、現在、区の広報の一つとして、シビックセンターの柱等の活用を検討しているところであり、紋章等のPR方法についても、併せて検討してまいります。


学校におけるプログラミング教育開始に伴い、高度な環境整備を行うべき
情報活用能力や、プログラミング的思考を育成するため、教育情報ネットワーク環境を整備するとともに、教育内容の質的向上に向け、様々な事業を実施しているところです。
具体的には、電子黒板導入のほか、児童・生徒用タブレット端末を順次整備し、全小・中学校において3人に1台以上の配備を完了したところです。
また、湯島小学校及び駒本小学校では、プログラミング教育推進校として都の指定を受け、調査研究に取り組んでおります。
ICT技術の進展に伴い、今後も様々な機器やシステムの開発が予想されますが、学習への興味・関心や、思考力・判断力・表現力の育成につながるよう、計画的に環境整備を行ってまいります。


「文京区教育振興基本計画」の改定が行われていないが、行うべき
「(仮称)文の京総合戦略」や「新学習指導要領」、国及び都の「教育振興基本計画」を参酌しながら、本区の計画について、検討を行っているところです。


本区の体験学習を教育ESDで拡充するように行動すべき
ESDは、新学習指導要領の基盤理念となっており、その前文及び総則で「持続可能な社会の創り手」の育成が掲げられています。
また、各教科等においても関連する内容が示されており、総合的な学習の時間のほか、社会科や理科等の学習において、国際理解や環境をテーマに体験的な学習を展開し、教育効果をあげてまいりました。
今後も、各学校が、教科横断的な視点からカリキュラムを編成し、体験学習を取り入れ、充実した教育活動を実践できるよう支援してまいります。


(答弁後の発言)
議席の発言をお許し頂き、ありがとうございます。
この場は、質問内に頂いた時間ですので再質問する際には演壇で行わせて頂く事になりますが、頂いた答弁については各委員会で議論を深化させて頂きたいと思いますので、一言感想を述べさせて頂きます。
私は20年間区政進展の為、公職の場から、一区民として変遷を見てきました。
区が物理的にできないことは今までの議論から百も承知な事もありますが、オリパラに向けて動き出したいまだからこそ大胆に改革できることがあると思いますので、チャレンジして頂けるよう議論して参りたいと思います。
議会も10年前に議会基本条例検討小委員会で議論された「要望議会にならない」よう様々な変革を行いたいと思いますので、ご協力をお願い致します。
本日はありがとうございました。